世界三大美術館ってどこ？実は厳密な定義はなくて諸説ある？

所蔵品数は、所有し保管できる作品の数として評価できる基準でしょう。展示スペースの制限や、保護・管理上の観点からすべての作品を展示できませんが、収蔵品のなかには特別展などで公開される作品もあります。

美術館は、展示品だけでなく所蔵する作品に責任を持ち、保全・修復や研究を行っています。膨大な数の作品を所蔵するということは非常に労力の要ることなのです。

大英博物館の収蔵品は、なんと800万点以上です。所蔵品の多さだけでなく、世界各地の文化的価値の高い遺物や美術品が多いことが特徴です。

有名な展示品のひとつに、エジプトが起源であるロゼッタ・ストーンがあります。多くの所蔵品が大英帝国時代に植民地などから持ち込まれたことでも知られていますが、各地から集められ保護・保管されてきたことは評価される点でしょう。

ニューヨークの美術館で最も有名なメトロポリタン美術館の所蔵品数は、約300万点です。マンハッタンのセントラルパークに隣接し、観光客にとって訪れやすい場所にあります。

見どころはルノアール、ゴッホやモネなどの著名な画家の作品です。世界各地の幅広い歴史的遺物や美術品を所蔵し、日本の浮世絵や金屏風、日本刀・甲冑も展示されているため、チェックしておきたいところです。

エルミタージュ美術館の所蔵品数は、約300万点です。広さも世界2位であり、栄華を誇ったロシア帝国を象徴する美術館といえます。

女帝として知られるエカチェリーナ2世が集めた、ヨーロッパ各地の画家による絵画が非常に多いことが特徴です。建物自体が世界遺産に登録されている元宮殿の豪華絢爛なインテリアとともに、莫大なコレクションを堪能できる人気の美術館です。

有名な展示品があれば、たった一点であっても訪れたいと思うことは珍しいことではありません。もとより全ての展示作品を時間をかけて見て回ることは、体力的にも時間的にも難しいでしょう。

厳密な定義がないからこそ、数字だけではなく「有名な」という感覚的な評価が存在します。人々を引きつける有名作品を展示する世界三大美術館は、押さえておきたい旅行先です。

世界で一番有名な絵画は、誰もが知っているレオナルド・ダ・ビンチ作の「モナ・リザ」です。サイズはあまり大きくはなく、防弾ガラス越しでの展示であるものの、一度は見ておきたい作品であることは間違いありません。

作者不詳の彫刻「ミロのヴィーナス」に加え、多くの見どころがあり、来場者数・広さともに堂々1位の美術館です。

フィレンツェにあるウフィツィ美術館は、レオナルド・ダ・ヴィンチ作「受胎告知」、ボッティチェリ作「ヴィーナスの誕生」で知られています。芸術家を支援していたメディチ家の美術コレクションが寄贈され、一般公開が始まりました。

質・量ともにイタリア最大で、イタリア絵画の宝庫ともいえる美術館は、フィレンツェ歴史地区の一部として世界文化遺産にも登録されています。

スペインの首都マドリードにあるプラド美術館は、世界三大絵画のひとつ、ディエゴ・ベラスケス作「ラス・メニーナス」を展示しています。スペイン王室のコレクションをもとに、スペイン画家の作品を多く所蔵・展示しているのが特徴です。

博物館が多い地区にあり、パブロ・ピカソ作「ゲルニカ」を展示する国立ソフィア王妃芸術センターとともに訪れたい美術館です。