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ベルヴェデーレ宮殿の見どころは?ウィーンの観光におすすめのスポットをご紹介!

ベルヴェデーレ宮殿の見どころは?ウィーンの観光におすすめのスポットをご紹介!

ベルヴェデーレ宮殿は、バロック建築としても美術館としてもウィーンで3本指に入る有名な観光スポット。世界遺産にも登録されています。ベルヴェデーレ宮殿は、クリムトの「接吻」が見られることでも有名。2018年には没後100年を迎え、人気が上昇しています。

目次 [表示]

ウィーン観光で行きたいベルヴェデーレ宮殿

ベルヴェデーレ宮殿とは

Photo by Shemsu.Hor

シェーンブルン宮殿と並ぶ、ウィーンの2大バロック建築です。南北に長い庭園の両端に、上下2つの宮殿があります。ウィーン中心部からは少し離れていますが、ウィーン歴史地区の一部として世界遺産に登録されました。現在、上宮と下宮はそれぞれ美術館として使われています。上宮美術館はウィーンの3大美術館のひとつ。美術館としても、宮殿としても見どころのある人気観光地です。

ベルヴェデーレ宮殿の歴史

Photo by archer10 (Dennis)

オスマン・トルコから国土を守った、軍人オイゲン公の避暑地です。建造は18世紀。上宮は迎賓館、下宮は公の住まいとして使われました。公の没後はハプスブルク家が買取。上宮は、国所有の芸術品を飾る「オーストリア絵画館」となります。第2次大戦後には、オーストリア独立の条約を結ぶ舞台にも。現在、上宮は世紀末芸術やビーダーマイヤー絵画、印象派などの近代美術、下宮は中世やバロックの美術品を展示。

ベルヴェデーレ宮殿について

基本情報

住所 Prinz Eugen-Straße 27, 1030 Wien
開館時間 上宮:9時30分〜18時
下宮:10時〜18時
※両宮殿とも、金曜日は21時閉館
庭園:7時30分〜17時30分(2020年2月28日まで)
休館日 なし
アクセス 西側入口:Schloss Belvedere停留所
南側入口:Quartier Belvedere駅

ベルヴェデーレ宮殿公式サイト

所要時間

Photo by pollobarca2

上宮・庭園・下宮をすべてじっくり見たい方は、全体で3時間半くらいを見ておくことをおすすめします。庭園は、上宮から下宮の移動として歩くだけなら15分ほど。のんびり散策する場合は30分くらいかかります。上宮美術館は、全体を見るのに90分、じっくり見たい場合は120分くらい。下宮はおよそ60分です。

注意事項

Photo bypaulracko

上宮美術館内の注意点です。大きな荷物の持ち込みはできません。1階のクロークルームや地下のロッカーに預けてください。また、写真撮影は可ですが、一部の作品は禁止。三脚、フラッシュは館内全面禁止です。地下1階のトイレは、チケット購入者は無料で使えます。ちなみに、庭園に設置されたトイレは有料です。

ベルヴェデーレ宮殿のチケット

料金一覧

Photo byjessica45

  一般 シニア(65歳~)
学生(~26歳)
ウィーン
シティカード
上宮 16ユーロ 13.50ユーロ 14.50ユーロ
下宮 14ユーロ 11ユーロ 12ユーロ
上下コンビ 22ユーロ 19ユーロ 19.50ユーロ
18歳以下は無料。シニア・学生・19歳未満は年齢確認できるものを持参してください。庭園は入園無料です。

現地での購入

Photo bystevepb

宮殿西側の入口付近にあるチケット売り場で購入します。入館時間指定のチケットです。混雑時に買うと、すぐに入れない可能性も。週末は人が多く、混雑時間帯は11時から14時とされています。並ぶのは30分弱。時間をかけたくない方は混雑する時間帯を避ける、またはネットで事前購入することをおすすめします。

事前購入

Photo byStartupStockPhotos

ベルヴェデーレ宮殿の公式サイトにて。有効期限は購入から1年。公式サイトは、ドイツ語と英語表記のみです。分かりにくい場合は、日本語に対応したオンライン予約サイトやアプリもおすすめ。購入手続きの後、メール、SMS、アプリいずれかでチケットを受信。当日、印刷して持参します。一般以外のチケットは、年齢確認できるものが必須です。

ベルヴェデーレ宮殿公式サイト
ベルヴェデーレ宮殿へのチケット、ウィーン | Tiqets
ベルヴェデーレ宮殿で、グスタフ・クリムトの傑作「接吻」、優美な庭園、「大理石の間」などの見どころを見学

ベルヴェデーレ宮殿の見どころ

門外不出のクリムト作品「接吻」

Photo by bm.iphone

上宮美術館一の見どころです。グスタフ・クリムトは、ウィーン世紀末の有名な画家。不安定な社会を背景に、性・愛・死を官能的にきらびやかな色彩で描きました。型にとらわれない芸術を求め、さまざまな画法を吸収。代表作品「接吻」は、男性がクリムト、女性は恋人のエミーレとも。女性の幸せそうな表情と裏腹に、足元には崖。美しさとともに不安を与える描写が、没後100年経った今も人を魅了しつづける理由かもしれません。

注目ポイント①:金色のローブの模様

男性がまとう金色のローブには四角、女性がまとうものは円の模様が描かれています。一説には、四角と円は「補完」を意味するという解釈も。また、四角が男性、円が女性の象徴とする解釈もあります。クリムトは、象徴を描いて人の内面や関係性を表現する画法を多用。館内の作品を見比べ、模様は何を意味するのか考えるのもまた面白い。

注目ポイント②金箔の使用や構図

クリムトは、日本の尾形光琳らの画法からも影響を受けています。金箔は、日本画やビザンツ様式、中世美術などの影響とも。はっきりした輪郭や首を曲げた男性の構図、平面的な背景は、一説には日本画の影響もあるといわれています。日本人としては、どことなく馴染みのある印象を抱く作品かもしれません。

ナポレオンのあの有名な肖像画

Photo by Allan Henderson

ジャック・ルイ・ダヴィットの「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」、教科書で一度は目にする有名な作品です。上宮美術館に展示。勝利を収めた対オーストリア戦でのアルプス越えを理想化したもの。スペイン王カルロス4世が、和睦の品として発注。受け取ったナポレオン本人が、同じ構図で複数作らせ、支配下のフランスや各国の宮殿に飾りました。英雄像のプロパガンダだったのでしょう。

注目ポイント①赤いマント

カルロス4世が発注した原画(フランスのマルメゾン博物館に展示)は、黄色のマントでした。ヨーロッパでは、黄色は将軍、赤は王を意味する色です。ナポレオン本人が発注した画はすべて赤色のマント。当時、ナポレオンはまだ軍と政治のトップでした。名実ともにトップになることを宣言した画であり、数年後には皇帝になった歴史を思うと圧倒される作品。

注目ポイント②左手前の岩3つ

「ボナパルト」の文字が、アルプス越えをして勝利を収めた英雄2人の名に連ねて描かれています。1人は、古代ローマを恐れさせたカルタゴの将軍ハンニバル。もう1人は、武力で西欧の大半を支配下に入れ、ヨーロッパ世界の礎を築いたカール大帝です。2人に並ぶ英雄として自らをアピールする戦略がうかがえます。

華やかなバロック建築

Photo by Ivan C

バロック式は、躍動感ある複雑な装飾がポイント。絶対王政の時代に数々の技術を集約させ、きらびやかで壮大な総合芸術として成立しました。建物だけでなく、絵画や彫刻、調度品もあわせてひとつの作品。どこを見ても手の込んでいる内観や、上宮の白く華やかな外観は、当時の権力、財力の大きさを物語っています。

注目ポイント①上宮美術館内の大理石の間

きらびやかなシャンデリア、大きなフレスコ画は見ごたえ抜群です。特にフレスコ画は、周囲の天井から壁にかけてだまし絵になっています。リアルな奥行を感じさせ、言われなければ気づかないほどです。バロック建築らしい面白さがあります。宮殿文化や建築に興味のある方には、おすすめの見どころです。

注目ポイント②下宮の黄金の間

黄金の間は、部屋の壁一面に鏡と金色の装飾がほどこされています。落ち着いた外観からは想像しなかったきらびやかさに、驚く人も多いでしょう。オイゲン公の豪勢ぶりを感じる一部屋。ほかにも、部屋ごとに趣向の凝らされた造りは必見です。大理石の間やグロテスクの間のほか、馬屋までもが立派。英雄ぶりがうかがえます。

フォトジェニックな庭園

Photo by ahisgett

上宮と下宮をつなぐ、広大なバロック庭園。数々の彫刻、池、噴水、季節の花々など、どこをとっても画になります。上宮正面の池からは、水面に浮かぶ宮殿をぜひ一枚おさめましょう。また、緑や花々は白く壮麗な宮殿を一層引き立たせます。天気や季節によっても違う顔を見せるベルヴェデーレ庭園は、写真好きには特に見どころ満載。随所にベンチもあるため、きれいな景色を見ながらのんびりしたい人にもおすすめです。

注目ポイント①水面に映る宮殿

晴れた日は、絶景の一枚が。上宮正面の池に、陽の光で明るさを増した白い宮殿が映り込みます。青空、壮麗な宮殿、水面に映った宮殿の画は神秘的で、より美しい一枚です。ぜひ、カメラ片手に最高の一枚を探してみてはいかかでしょうか。ちなみに、下宮のオレンジの屋根も、青空によく映えます。緑と下宮のオレンジと青空のコントラストも美しいでしょう。

注目ポイント②ウィーン有数の「美しい眺め」

上宮美術館の内部からは、絶景が望めます。幾何学模様の美しい庭園、その先に広がるウィーン市街。「ベルヴェデーレ」の名が意味するとおりの見応えです。ベルヴェデーレ宮殿は、多くの歴史の舞台となりました。かのマリー・アントワネットの婚礼を祝う舞踏会が開かれたのも上宮です。250年ほど昔に、同じ場所から眺めたかもしれないと思うと、とても感慨深い。

ベルヴェデーレ宮殿内で時間があるときは

ミュージアムショップ

ポストカード、コースター、カップなどに有名画家の作品が印刷されたグッズは、美術好きな友人へのお土産にぴったり。特にクリムトの絵画は、きらびやかな色合いが女性に人気です。切符売り場そば・上宮美術館・下宮の3店舗があります。

上宮
切符売り場
9時〜18時
※金曜は21時閉店
下宮 10時〜18時
※金曜は21時閉店

ベルヴェデーレ21

オーストリアの現代芸術に興味のある方におすすめです。第2次大戦以降の芸術作品の他、特別展覧会や映画館、彫刻庭園の見えるカフェ・レストランも併設しています。19歳未満は入館無料です。

開館時間 11時〜18時
※水金は21時閉館
一般 8ユーロ
シニア(65歳以上)
学生(26歳以下)
6ユーロ
ウィーンシティカード 6ユーロ

2つのカフェ

上宮東端に位置する「Cafe-Bistro Menagerie」。ウィーンの伝統料理やスイーツが楽しめます。クラシックな雰囲気を楽しみたい方におすすめです。下宮北側中央には「Cafe B Lounge」。モダンなテイストで、サンドイッチなどの軽食もあります。テラス席がある夏におすすめです。両店ともに、美術館利用者でなくても入れます。営業時間は、いずれも10時から18時。

ウィーン観光で複数めぐる場合のお得情報

フレキシパス

3~5か所の施設を巡る予定であれば、要確認。決まった観光施設の中から希望を複数選び、並ばず無料入場できるチケットです。3・4・5か所の3種類があります。30以上の観光施設には、ベルヴェデーレ宮殿のほか、バスツアー(ホップオンホップオフバス)なども。使用期限は、開始日から30日間。長期滞在でじっくり楽しみたい人にもおすすめ。歩いて回るときに検討したいチケットです。

ウィーンフレキシパス公式サイト

ウィーンパス

ウィーン市内各所の観光施設をたくさん回る予定であれば、要確認。60以上の有名観光地が無料で、さらにホップオンホップオフバスが乗降自由のチケットです。ベルヴェデーレ宮殿やシェーンブルン宮殿などが含まれ、シェーンブルン宮殿をのぞく各施設では入場待ちの列を回避できます。1・2・3・6日間の4種類。観光施設をたくさん回り、移動が徒歩ではきびしい場合は検討を。

ウィーンパス公式サイト

ウィーンシティカード

ウィーン市内各所の観光施設を複数回り、かつ有名なお店での買い物、食事を考えている場合、要確認。公共交通機関の時間制フリーパスと、210以上の観光施設・買い物・食事・ツアーなどの割引がついたチケットです。24・48・72時間の3種類。ファミリー層はお得で、15歳未満の子供1人までは無料。公共交通機関のフリーパス単体よりは割高です。1施設しか見ない場合、交通機関の切符と入場チケットをそれぞれ買う方がおすすめ。
 

ウィーンシティカード購入画面|ウィーンシティカード公式サイト

総合芸術を楽しめるベルヴェデーレ宮殿

クリムトの有名作品「接吻」は、美術ファンでなくても圧倒されたという声を多く聞きます。また、ベルヴェデーレ宮殿の見どころは、絵画だけではありません。バロックの華やかな彫刻や装飾は、大きな見どころのひとつ。窓からの眺めや広い庭園も、画になります。歴史や背景に思いをはせながら、優雅な時間をどうぞ。

Sato
ライター

Sato

森林浴が好きで、旅先では各地の自然に触れるのが一番の楽しみです。 自然や街並みを切り取った風景画も好きなので、題材になりそうな景色を探して歩くことや、古くからの街並みの散策や美術館巡りも好きです。

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