ダイビングの死亡事故は少なくない
空気のない水中で楽しむスキューバダイビングの死亡事故は日本でも少なくありません。ちょっとした気のゆるみで起こるミスが大きな事故につながります。
水中世界を安全に楽しむためには正しい知識と技術が必要です。死亡事故の原因や死亡事故を避けるためのポイントをおさえてから、スキューバダイビングの体験やライセンス取得に臨みましょう。
過去のダイビング死亡事故事例
スキューバダイビングの死亡事故を回避するためには、まずは過去の事例を知ることが大切です。死に至った状況を知っておけば、同じ状況を避けるために注意深く行動できます。
日本ではライセンスを持たない初心者の死亡事故だけではなく、ライセンスを持つ経験豊富なダイバーの死亡事故も少なくありません。初心者も経験者も死亡事故の事例を把握しておくことが大切です。
事例①単独のスキューバダイビング
単独のスキューバダイビングによる死亡事故が起きています。事故者はダイビングショップでボンベをレンタルし、単独でスキューバダイビングに臨みました。
事故者の行方がわからなくなり、付近の海域を捜索しましたが、発見されずに数日が経過します。行方不明になってから3日後に海で漂流しているところを発見され、死亡が確認されました。
事例②ボンベからの酸素漏れ
ボンベからの酸素漏れが疑われる事故も起きています。事故者は経験豊富なダイバーで、2人でスキューバダイビングに臨んでいました。1人が浮上したあとも、事故者は単独でダイビングを続行します。
事故者は行方不明になり、捜索によって発見されましたが、死亡が確認されました。事故者のボンベを確認したところ、微量の空気が漏れ出していたことが判明しています。
事例③ダイビング後船上で意識不明
船に上がったあとに意識不明に陥った事例もあります。事故者は友人とともにスキューバダイビングのツアーに参加していました。
ダイビングを終えて浮上した後に、事故者は1人で船上に上がれなくなり、意識不明におちいります。意識不明から約1時間後、搬送された診療所で死亡が確認されました。ダイビングに臨んだ際、事故者の体調に問題はなかったようです。
事例④水深8メートルでトラブル発生
深い水深で何らかのトラブルが発生したとみられる死亡事故もあります。事故者は観光客でダイビングスタッフとともにスキューバダイビングを体験していました。
潜水後水深8メートル付近で何らかのトラブルが発生し事故者に異変が生じます。事故者の異変に気付いたダイビングスタッフが一緒に浮上しましたが、意識不明の状態で搬送先の病院で死亡が確認されました。
事例⑤ダイビング実習中に死亡
ダイビングの実習中に起きた死亡事故もります。事故者は専門学校生で、ダイビングの実習に参加していました。潜水後、事故者の行方がわからなくなり、あおむけで海底に沈んでいるのを発見され、死亡が確認されます。
インストラクターは「ダイビング実習中に注意義務を怠り事故者をおぼれて死なせた」として、業務上過失致死罪に問われました。