奈良弁の定番フレーズ
奈良弁の定番フレーズは「めんどくさい」という意味の「おとろしい」や、「おやつ」という意味の「ほうせき」などです。
奈良弁の定番フレーズは、奈良県民以外の人にはまったく意味を理解できない言葉も少なくありません。奈良弁の定番フレーズと意味をおぼえておけば、奈良県民とコミュニケーションをとるときに役立つでしょう。
フレーズ①おとろしい
「おとろしい」は奈良弁の定番フレーズの1つです。「おとろしい」は「めんどくさい」「だるい」という意味で、疲れているときや億劫なときによく使われます。「買い物に行くのおとろしわー(買い物に行くの面倒くさいわ)」「おとろしいよー(面倒くさいよー)」などが使用例です。
「おとろしい」は大阪などの他地域では「怖い」という意味で使われており、意味が食い違います。
フレーズ②よーおこし
「よーおこし」も奈良弁の定番フレーズです。「よーおこし」は「いらっしゃい」「よくきてくださいました」という意味で、人を歓迎するあいさつとして使われます。
「よーおこし」というフレーズを使うのは奈良県の一部地域で、標準語と同じように「いらっしゃい」と言う地域も多いようです。「よーおこし」ではなく「よーおいで」と言う場合もあります。
フレーズ③ほうせき
奈良弁の定番フレーズの1つに「ほうせき」という言葉があります。「ほうせき」は「おやつ」「お菓子」という意味で、ジュエリー(宝石)のことではありません。
「このほうせきおいしいね(このお菓子おいしいね)」「うちもほうせき食べたいわあ(わたしもおやつ食べたいな)」のように使います。「宝石」のことも「ほうせき」と言うので、会話の流れで意味をつかむことが必要です。
フレーズ④もむない
「もむない」も奈良弁の定番フレーズです。「もむない」は「おいしくない」という意味で、言葉からは意味を想像できない人が多いでしょう。
たとえば、「このほうせきもむないなあ(このおかしおいしくないなあ)」と使います。自分が作った料理を「まずい」「おいしくない」と言われるよりも「もむない」とやわらかく言われるほうが、イヤな気持ちになりにくいのではないでしょうか。
フレーズ⑤いちびる
「いちびる」も奈良弁の定番フレーズの1つです。「いちびる」は「ふざける」という意味で、大人がはしゃいだりいたずらする子どもをしかるときに使います。
「いつまでもいちびらんといて(いつまでもふざけないで)」「いちびってんとおとなしくしとって(ふざけてないでおとなしくして)」のような言い方です。やんちゃな子どもがいる奈良の家庭では頻度高く使われるフレーズでしょう。
フレーズ⑥せんど
「せんど」も奈良弁の定番フレーズです。「せんど」は「何回も」「なんども」という意味で、「千度(千回)」が由来だといわれています。
「せんど言うてるやろ!(何回も言ってるでしょう)」と怒っている場面で使われることが多いようです。「せんどいうたけど、あんたのこと好きやで(なんども言ってるけれど、あなたのことが好き)」など、とくに怒りを感じていない場面でも使えます。
フレーズ⑦しらこい
「しらこい」も奈良弁の定番フレーズの1つです。「しらこい」というのは「白々しい」という意味で、知らないふりをした相手に対して使います。
「しらこいわあ、あんた(白々しいわよ、あなた)」「しらこいこと言わんといて(白々しいこと言わないで)」という使い方です。知らないふりをした相手を非難する場面で使われますが、相手に対する「ツッコミ」としても使われます。
奈良へ出かけて奈良弁を楽しもう
奈良弁は関西弁がベースの方言ですが、かわいらしくて独特な個性を持っています。奈良弁のフレーズにはなんとなく理解できる表現もあれば、知識がなければまったく意味がわからない表現もあるでしょう。
奈良へ出かけて現地の人と話してみるのが、奈良弁を理解する最適な方法です。奈良弁を楽しむことを旅の目的の1つにして、奈良へ出かけてみましょう。