ビザ(査証)とは?
パスポートとは
パスポートとは、旅行者の国籍や身分を示すもので、各国政府が発行します。入国・出国のときや、ホテルのチェックイン、バーでの年齢確認の際にも提示を求められます。そのため、渡航する際には必ず必要になります。
日本のパスポートは、ビザなしで入国できる国が世界で一番多いということはご存知でしたか?2019年 World's most powerful passports(最強のパスポート)のランキングで、日本が1位になりました。日本は189ヵ国もの国々に、ビザなしで短期の観光目的なら滞在できます。しかし、そんな日本のパスポートといえども、もちろん、ビザが必要となる国はあります。
ビザとは
ビザとは、渡航する外国人が入国してきても大丈夫な人物か、事前に審査した許可証のことを言います。各国の大使館や領事館で発行され、観光ビザ、学生ビザ、就業ビザなどさまざまな種類のビザがあります。日本のパスポートは最強といえど、もちろん、観光ビザが必要な国もあります。
せっかく空港に到着したのに、ビザを取り忘れて入国拒否となったら悲しいですよね。そうならないために、どのような国だと、ビザの取得をしなければならないのか、海外旅行を考えている人はしっかりチェックしましょう。それでは、いくつかの地域に分けて見ていきます。
観光にビザが必要な国【最新版】
アジア
インド、カンボジア、ネパール、バングラディシュなどです。事前にビザの申請が必要となります。
中近東
イラク、イラン、サウジアラビア、レバノンなどです。基本的にはビザは事前申請ですが、レバノンは観光・業務目的で1ヵ月以内の滞在はアライバルビザ(到着ビザ)を取得できます。
アライバルビザ(到着ビザ)とは
アライバルビザとは、現地の空港で申請できるビザのことです。パスポートや、パスポート用の写真、申請書類をもち、手数料を払えば取得可能です。
東欧・西欧
代表的な国で言うと、ロシアです。なんと東欧・西欧は他の地域と比べると、観光ビザが必要な国は圧倒的に少ないのです。ヨーロッパはシェンゲン協定加盟国が多いのでビザが必要ありません。
シェンゲン協定加盟国
シェンゲン協定加盟国とは、EU加盟国で『シェンゲン協定』に加盟している国は、いったん一つ目の加盟国に入国すれば、ほかの協定に参加している国との国境間の行き来をパスポートなしでできるというものです。最近、イギリスはEUから脱退したのでこちらの加盟国には入りません。
南米
南米は短期の観光であれば、ビザは必要ありません。以前、ブラジルへの渡航はビザが必要でしたが、2019年6月17日からは日本国籍保持者ならビザの取得が免除されるようになりました。
ビザの取得方法
取得に必要なもの
- パスポート
- パスポート用のサイズの写真
- 申請書類(国によってはネット印刷可能)
- 手数料
ビザ交付までかかる期間
はやいところでは数日、時間がかかる場合は1ヶ月近くかかる国もあります。そのため、余裕をもって渡航の2か月前までにはビザを申請するようにしましょう。
ビザの取得方法 例外①
アメリカ【電子認証渡航システム(ESTA)】
アメリカは、ビザは必要ありませんが電子渡航認証システム(ESTA)が必要になります。ESTAとは、90日以内の旅行をする際に、ビザなしで入国しても大丈夫な人物か、という適性をはかるシステムのことです。検査はインターネット上でうけ、14ドル(米ドル)の申請料金を支払えば申し込みすることができます。クレジットカードで支払うことができるため、簡単な手続きとなります。有効期限は2年間です。そのため、一度申請して許可が下りると、2年間は申請せずに旅行することができます。
ただ、ネットで申し込んだからといってすぐ許可が下りるわけではないため、最低でも渡航前72時間前までにはとるように心がけるようにしましょう。また、入力情報の誤りによりESTAが却下された場合、米国大使館または領事館でビザ面接を受ける必要があるため気を付けましょう。
カナダ【電子渡航認証(ETA)】
カナダは、電子渡航認証(Electronic Travel Authority, 以下 ETA)が必要になります。ただ、日本人がカナダに”空路”で入国する際に取得しなければなりませんが、”陸路”や”海路”で入国する場合はeTAを取得する必要はありません。ETASと同じようにウェブ上で手続きができ、7ドル(カナダドル)で申請ができます。有効期限はなんと5年。審査結果は、数分で来ることがほとんどですが、数日かかることもあります。
オーストラリア【電子入国許可システム(ETAS)】
オーストラリアへは、電子入国許可システム(Electronic Travel Authority System, 以下 ETAS)が必要になります。こちらも、3ヶ月以内の観光であればウェブ上で申し込むことができます。有効期限は1年間で、金額は20ドル(濠ドル)です。ETASは、12時間以内で審査結果が来るので安心です。
ニュージーランド【電子入国許可証(NZeTA)】2019年10月より
ニュージーランドは、以前はビザ必要ありませんでしたが、2019年10月から3ヶ月以内の観光でもニュージーランド電子入国許可証(New Zealand Electronic Travel Authority, 以下 NZeTA)が必要になりました。
2019年10月以降に渡航を考えている方は、NZeTAの取得を忘れないようにしましょう。こちらは、申し込み方法により値段が異なり、PCにより申請 9ドル(NZドル)、専用アプリで申請 12ドル(NZドル)になります。
国際観光税(IVL)
ニュージーランドのNZeTAですが、NZeTAと同時に『国際観光税(International Visitor Conservation and Tourism Levy, 以下IVL)』が課せられます。IVLは、NZeTAと同時に申請しなければならず、35ドル(NZドル)を支払う必要があります。乗り継ぎでニュージーランドを経由する場合も対象になります。どちらも有効期限は2年間。審査には72時間かかるため、余裕をもって申し込みをしましょう。
ビザの取得方法 例外②
一般的には、観光にビザが必要のない国では30日以内または90日以内での滞在が許可されています。しかし、それよりも短い日数での滞在しか許可されていない国もあります。それでは、見ていきましょう。
中国
中国は15日以内の観光目的の滞在であれば、ビザは必要ありません。しかし、16日以上滞在するようであれば事前にビザを申請しなければいけません。ただ、ビザを取り忘れた場合はどうすればいいのか、実は裏技があります。中国に15日滞在して、その日のうちに別の国に旅行へ行き、また中国に入国します。そうすると滞在日数がリセットされるため、ビザがなくとも再度入国し、滞在することができます。短期間で何回も入出国をすると、入国審査で怪しまれるため、その点は注意しましょう。
ベトナム
ベトナムは15日以内の観光目的の滞在であれば、ビザは必要ありません。しかし、16日以上滞在するようであれば事前にビザを申請しなければいけません。ここで、中国と同じように別の国へ行ってから入国すればいいと考えた方もいるのではないのでしょうか。実は、ベトナムは『再入国ビザ』というものが存在します。再入国ビザとは、30日以内にベトナムへ再入国しようとする外国人は、再入国のためのビザが取得する必要がある、というものです。そのため、いずれにせよベトナムに16日以上滞在するためには、ビザの取得が必須という事です。
事前にビザを申請するのは面倒、という方もいるのではないのでしょうか?しかし、ベトナムの再入国ビザは、アライバルビザ(到着ビザ)なので、事前申請する必要はありません。以下の条件に当てはまる人がアライバルビザに申し込むことができます。
- ベトナム大使館や領事館がない国から入国してきた外国人
- 連続でたくさんの国を経由しながらベトナムへ入国してきた外国人
まとめ
ビザと聞くと、複雑な手続きが必要そうに聞こえますが、観光目的であると意外と簡単なものが多いです。渡航先の国で、ビザが必要だったら、さっそく申し込んでみましょう。