キアゲハの幼虫を育てる方法は?
キアゲハの幼虫を育てる方法は大きく2つあり、飼育かごに入れるか、防虫ネットを張ったプランターに入れておくかです。キアゲハの幼虫はすべての個体がすんなりと成虫まで成長するわけではないので、育てる前にキアゲハの世話に毎日向き合う覚悟を決めてから始めてください。
必要なもの
用意するもの | 用意するもの | |
---|---|---|
入れ物 | 飼育かご | プランターと防虫ネット |
湿度調整材 | ティッシュ | ― |
蛹化場所 | 割りばしや木の枝など | |
食べ物 | 無農薬のセリ科の葉または苗 | |
入れるビンやポット | ― |
キアゲハの幼虫を育てるのに必要なものは4つで、入れ物・枝・ティッシュ・セリ科の葉や苗を用意しましょう。観察のしやすい入れ物は飼育かごであり、おすすめはプランターでセリ科の苗を育てて、観察には飼育かごを使う方法です。
飼育かごは、フタは開け閉めしやすく網目が2ミリ(0.2センチ)以下で、大きさは中に割りばしを立て掛けられるくらいのものを選びましょう。
育て方①:幼虫もしくは卵を手に入れる
キアゲハの幼虫を育てる最初の工程は幼虫か卵を手に入れることで、プランターで食草から育てられる場合は卵がおすすめです。
卵の場合はチョウ除けをしないでセリ科の草を育て、成虫が卵を産みに飛んでくるのを待ってください。幼虫を探すときは、日当たりのよい開けた場所にあるセリ科の草の葉・茎を調べ、3~4匹持ち帰ります。
育て方②:食べ物はふんだんに
キアゲハの幼虫を育てる工程で重要なことは、幼虫の食べ物をふんだんに用意することです。幼虫の食欲は1~2齢のころはほぼありませんが、次第に増えて5齢では20~40枚くらいは食べます。幼虫を3~4匹まとめて育てる場合、食草を1匹につき30~50枚は用意できるようにしておきましょう。
農薬のついた食草は幼虫には有害ですので、食べないか死んでしまう可能性が高いです。
育て方③:こまめに掃除する
キアゲハの幼虫を飼育かごで育てるときに重要なことは、かごの中をこまめに掃除して、湿度をおさえ病気のもとになるカビを断つことです。
幼虫のフンは毎日そうじが必要ですので、湿度調整のティッシュをかごの底に敷きつめておいてティッシュを毎日交換します。複数匹を一緒に育てる場合、病気になった幼虫は他の幼虫にうつさないように取り出して、別の容器で手当てをしましょう。
育て方④:脱皮前はさわらない
キアゲハの幼虫を育てる工程で注意すべきことは、脱皮を前にして動かなくなった幼虫にはさわらないことです。脱皮をするときが来ると、幼虫はエサも食べないまま半日ほど一か所から動かなくなります。脱皮の前や脱皮中にさわると不調になったり、落ちてけがしたりして脱皮が成功しない可能性が高いです。
育て方⑤:前蛹はさわらない
キアゲハの幼虫を育てる工程で注意することは、前蛹になる幼虫や前蛹はさわらないことです。5齢幼虫は水っぽいフンを出して水分を出し切ったのち、飛び立つのにちょうどよい広さの枝や壁面を見つけて体を糸でくくりつけます。
サナギに脱皮する前の段階で落下すると体がやわらかいためケガをしやすく、サナギにはなれても羽化までたどり着けない可能性が高いです。
キアゲハの幼虫を観察してみよう!
パセリやニンジンの葉を見てみよう!
キアゲハの幼虫はセリ科の作物を育てる人には悩みの種ですが、見た目や生態はかわいいですし、アゲハチョウのなかでは珍しいので観察してみてください。キアゲハの幼虫は4~10月ごろにかけて2~5回発生し、セリ科の草の葉や茎にまぎれています。
出典:イラストAC