ベルギーの公用語①オランダ語
オランダ語が公用語の理由
ベルギーでオランダ語が話されている理由は、1815年のウィーン会議にて、オランダ王国との合体が決まり、ネーデルラント連合王国の一部だったからです。
1830年に独立宣言をしたときには、憲法の中でフランス語のみが公用語と認められていましたが、北部のオランダ語を話す人々が不満を募り、19世紀末にオランダ語も公用語として認められました。
オランダ語が話されているエリア
オランダ語が話されているのは、ベルギーの北部の「フランデレン地域」です。フランダースの犬で有名なアントワープや、世界最古のカトリック大学があるルーヴェンなど、歴史や文化を楽しめる地域です。花の都市であるゲントや、運河の都市ブルージュもあり、観光客に人気の地域です。
公共機関の表記は主にオランダ語ですが、フランス語や英語が表記されているところもあります。
オランダ語を話す人口の割合
ベルギー内でオランダ語を話す人口はの割合は、約60パーセントです。フランス語よりもオランダ語のほうが多くの人に話されていることになります。
北部のフランデレン地域は、学校でのフランス語や英語の授業が積極的に行われているうえに、フランス語や英語、ドイツ語のテレビを見る習慣もあります。イタリア語やスペイン語を習得している人も多く、マルチリンガルも珍しくありません。
ベルギーの公用語②フランス語
フランス語が公用語の理由
ベルギーでフランス語が話されている理由は、1789年〜1799年のフランス革命により、フランス軍が領土を占領していたからです。1789年には「ベルギー連合国」の宣言もありましたが、ナポレオン率いるフランスに制圧されてしまいました。
1830年にベルギーが独立宣言をした時点では、フランス語のみが公用語であり、フランス勢力が強かったことがうかがえます。
フランス語が話されているエリア
フランス語が話されているのは、ベルギーの南部「ワロン地域」です。ワロン地域の都であるナミュールでは、古城巡りや村巡りが楽しめます。ディナンは、楽器のサックスが生まれた街として有名です。
首都のブリュッセルは、オランダ語圏のフランデレン地域に囲まれており、公用語はオランダ語とフランス語の2つと決められていますが、人口の約80パーセントがフランス語を話します。
フランス語を話す人口の割合
ベルギー内でフランス語を話す人口の割合は、約40パーセントです。オランダ語を話す人口の割合が約60パーセントなので、フランス語を話す人口のほうが少ないです。
フランス語は世界でも有効的な言語なので、オランダ語圏のフランデレン地域に比べ、多言語を話せる人は多くありません。例えばサッカーのベルギー代表チームは、フランス語でコミュニケーションを取ることが多いです。
ベルギーの公用語③ドイツ語
ドイツ語が公用語の理由
ベルギーでドイツ語が話されている理由は、1914に起こった第一次世界大戦の際に、ドイツ軍が侵攻したからです。戦争では中立を守り抜きたかったブリュッセルも、1940年5月にドイツ軍により占領されてしまいました。
1944年9月にドイツによりブリュッセルは返還されましたが、解放された後もドイツとの国境付近では主にドイツ語が話されています。
ドイツ語が話されているエリア
ドイツ語が話されているのは、ドイツとの国境付近のごく一部の地域です。ワロン地域の北東に位置しており、ドイツに占領された歴史を持つオイペン、ザンクト・フィートが、ドイツ語を公用語としている地域です。
オイペンは住民投票にてドイツからベルギーに返還され、ザンクト・フィートは激しい地上戦が行われたため、復興に時間がかかり1960年代に修繕が完了しました。
ドイツ語を話す人口の割合
ベルギー内でドイツ語を話す人口は、1パーセント未満です。オランダ語やフランス語に比べ圧倒的に少ないですが、公用語としてさまざまな場面で使用されています。ベルギーの人口数が約1150万人ですので、ドイツ語を話す人は約11万人です。
出典:白地図専門店