目次 [表示]
- 歴史的城塞都市カルカッソンヌを観光しよう
- 城塞都市カルカッソンヌとは?
- フランスの有名な世界遺産
- 一大観光名所
- なぜ日本では知られていない?
- 城塞都市カルカッソンヌの歴史
- ガロ・ローマン期に発展
- 数多の王国の領地に
- 女領主カルカスの伝説
- 修復されて観光名所に
- 城塞都市カルカッソンヌ観光の見どころ
- 見どころ①:城壁
- 見どころ②:ナルボンヌ門
- 見どころ③:オード門
- 見どころ④:コンタル城
- 見どころ⑤:サン・ナゼール・バジリカ聖堂
- 見どころ⑥:ミディ運河
- 見どころ⑦:ポン・ヴィユー
- 見どころ⑧:バスティード・サン・ルイ
- 見どころ⑨:ラングドック・ワイン生産地
- 城塞都市カルカッソンヌへのアクセス
- アクセスにはTGVが便利
- トゥールーズからのアクセス
- バルセロナからのアクセス
- カルカッソンヌのイベント
- ライトアップ
- カルカッソンヌ・フェスティバル
- カルカッソンヌの名物グルメ
- 郷土料理カスレ
- ラングドック・ワイン
- 城塞都市カルカッソンヌ観光まとめ
歴史的城塞都市カルカッソンヌを観光しよう
フランスといえば、「モン・サン・ミッシェル」や「ヴェルサイユ宮殿」など多くの世界遺産があることはご存知でしょう。この「歴史的城塞都市カルカッソンヌ」も、フランス有数の観光名所で、世界的にもかなり有名な場所なのですが、日本ではあまり知られていないのが現状です。この記事では、そんな「歴史的城塞都市カルカッソンヌ」とは、いったいどのような場所なのかを紹介していきます。
城塞都市カルカッソンヌとは?
フランスの有名な世界遺産
「城塞都市カルカッソンヌ」は、フランス南部に位置する街・カルカッソンヌにある、城塞都市の遺跡です。90年代後半には、広大な敷地内に広がる建築物全体の歴史的な価値が認められ、「歴史的城塞都市カルカッソンヌ」の名前で、ユネスコ世界遺産に登録されました。かつては、この城塞都市部分のみで、一つの自治体を形成していましたが、現在においてはカルカッソンヌという街の一部分となっています。
一大観光名所
世界遺産に登録されたことをきっかけに観光地として有名になり、フランス国内では「モン・サン・ミッシェル」に次いで、二番目に観光客が多い場所です。「カルカッソンヌを見ずして死ぬな」という言葉が生まれるほど有名になったこの地は、現在、年間来訪者数が200万人にもなる一大観光地となっています。
なぜ日本では知られていない?
これほどまでに有名な世界遺産が日本であまり知られていない理由の一つに、この「城塞都市カルカッソンヌ」の位置している場所が関係していると思われます。日本人が初めてフランスへ旅行に行くとなった場合、首都であるパリをメインで観光する人が多いのではないしょうか。しかし、カルカッソンヌはパリから700キロ以上も離れており、「パリを観光したついで」で行くにはかなり遠いのです。
城塞都市カルカッソンヌの歴史
ガロ・ローマン期に発展
「城塞都市カルカッソンヌ」の歴史の興りは、ガロ・ローマン期と呼ばれる紀元前6世紀頃にまで遡ります。この地に侵攻してきたガリア人と、古代ローマ帝国との攻防の中で、カルカッソンヌは城塞の都市として発展していきました。この頃には、既に「城塞都市」としての役割を担うようになっていたようです。
数多の王国の領地に
モンターニュ・ノワール山脈とピレネー山脈の間にあるカルカッソンヌは、人類の争いの歴史の中においては、戦略上重要な場所とされてきました。そのため、ローマ帝国以降も、西ゴート王国、フランク王国、さらにはイスラム王朝と、多くの国家がこの地を奪い合い、争ってきたのです。
女領主カルカスの伝説
伝説上では、「カルカッソンヌ」と呼ばれるこの街は、勇敢な女領主「カルカス」の名に由来すると言われています。彼女は、亡くなった夫に代わって騎士団を率い、この地がカール大帝率いる神聖ローマ帝国による包囲を受けた際、その知略でこれを退けたそうです。そんな彼女の功績を称え、この地はカルカッソンヌという名前になったのだと、現在も言い伝えられています。
修復されて観光名所に
1659年のピレネー条約締結によって、フランスとスペインの国境が定まったことで、カルカッソンヌは戦略的に重要な場所とは言えなくなりました。放置され、荒廃していったカルカッソンヌでしたが、1800年代には、これを嘆いた歴史家たちによって修復作業が行われます。こうして復活したカルカッソンヌは、「歴史的城塞都市カルカッソンヌ」として世界遺産になり、現在では、世界中から観光客が訪れるようになりました。
城塞都市カルカッソンヌ観光の見どころ
見どころ①:城壁
「城塞都市カルカッソンヌ」最大の見どころは、その壮大な城壁です。13世紀に城主ルイ9世の命で築かれたこの二重の城壁は、全長3キロにも及ぶヨーロッパ最大級のもので、建物の周囲を囲むその姿は城塞都市としての象徴でもあります。城壁の上からは、カルカッソンヌの街並みを望むことができ、展望スポットとしても人気です。
見どころ②:ナルボンヌ門
「城塞都市カルカッソンヌ」には、東西に二つの門がありますが、東側にあるメインの門が、このナルボンヌ門です。荘厳たる姿で佇むこの巨大な門は、まさに城塞都市の名にふさわしい圧倒的な迫力。このナルボンヌ門の脇には、「カルカッソンヌ」の名前の由来となった、伝説の女領主「カルカス」の像もあります。
見どころ③:オード門
メインの門といった趣の「ナルボンヌ門」に対して、反対側にある、こちらの「オード門」は裏門といった雰囲気です。華美なデザイン性はなく、質素で武骨な印象を受けるのが「オード門」の特徴ですが、その分、この地の長い戦乱の歴史を感じさせてくれることでしょう。門周辺の景観も、「ナルボンヌ門」とはまた違うので、こちらも合わせて見ておきたいですね。
見どころ④:コンタル城
城塞都市の中心部にあり、歴代城主の居城として利用されてきたのが、この「コンタル城」です。「城塞都市カルカッソンヌ」の中で、この「コンタル城」の見学のみ有料となっていますが、城内は兵士巡回路や見張り塔など、たくさんの見どころがあります。さらには、ガロ・ローマン期の彫刻などの展示品も見られるため、見学しておきたいところです。
見どころ⑤:サン・ナゼール・バジリカ聖堂
「サン・ナゼール・バジリカ聖堂」は、城塞都市内にある唯一の教会です。この聖堂は、外観がロマネスク様式、内装がゴシック様式という独特な建築技法で作られており、世界遺産の一部として、この地の歴史を現代に伝えています。また、ステンドグラスで華やかに彩られた内装は、美しい建築物が多いフランス国内においても、有数の美しさであるとして有名です。
見どころ⑥:ミディ運河
「城塞都市カルカッソンヌ」のそばを流れる「ミディ運河」も、世界遺産に登録されています。この運河は、鉄道が発達するまでは、物資を運搬するための輸送路として利用されており、現在では、川沿いの景観の美しさから、観光名所として人気です。遊覧船でのリバークルーズなども行われているので、船から城塞都市を眺めるのもいいかもしれませんね。
見どころ⑦:ポン・ヴィユー
「ポン・ヴィユー」は、ミディ運河にかかる石造りの旧橋のことです。かつてカルカッソンヌの城下と城塞都市を繋ぐ唯一の道であったこの「ポン・ヴィユー」は、城塞都市の全景を眺めることができる展望スポットとして人気を博しています。新橋の「ポン・ヌフ」と合わせて見ておきたいところですね。
見どころ⑧:バスティード・サン・ルイ
「バスティード・サン・ルイ」は、城塞部分に対しての城下町となる場所です。この城下町は13世紀初頭にルイ9世の命で造られ、毛織物産業で大いに栄えました。現在も、この地には伝統的な建築様式の建物が並び、そびえ立つ城塞都市と合わせて、世界遺産らしい美しい街並みを作り上げています。城下町の中にあるカルノ広場で開かれる朝市は、この地で採れるフルーツなどが所狭しと並び、一見の価値ありです。
見どころ⑨:ラングドック・ワイン生産地
フランスといえば、名産品として有名なのは、やはりワイン。お酒好きな人なら、一度は本場のワインを飲んでみたいところでしょう。カルカッソンヌは、「ラングドック」という有名なワインの産地からも近く、そのため、城塞都市の近辺にも醸造家が多いことで知られています。試飲をさせてくれるところも多いので、自分好みのワインを探してみるのもいいかもしれませんね。
城塞都市カルカッソンヌへのアクセス
アクセスにはTGVが便利
「城塞都市カルカッソンヌ」へ観光に行く際のアクセスには、フランス国鉄の高速車両「TGV」が便利です。この車両は日本で言うところの新幹線のようなもので、フランス各地の主要都市はもちろん、スペインやイタリアなどの隣国へも繋がっています。移動時間の短縮にもなるので、大変おすすめです。
トゥールーズからのアクセス
カルカッソンヌに最も近い、フランスの大きな都市はトゥールーズです。トゥールーズ・マタビオ駅からカルカッソンヌ駅へは、TGVを利用して40分ほど。料金は二等席で12ユーロから20ユーロです(2019年11月現在)。カルカッソンヌ駅から城塞都市までは、2キロほど距離があるので、バスやタクシーを利用するといいでしょう。
バルセロナからのアクセス
意外と近いのが、隣国スペインの首都バルセロナからのアクセスです。TGVは隣国にも伸びていて、バルセロナ・サンツ駅から一本でカルカッソンヌへアクセスできます。時間にして2時間30分ほど、料金は二等席で30ユーロから60ユーロ(2019年11月現在)。同じフランス国内の主要都市であるパリやマルセイユよりも、こちらからアクセスする方が便利です。
カルカッソンヌのイベント
ライトアップ
夜になると、カルカッソンヌの城塞都市全体がライトアップされます。昼間に見る厳かな雰囲気の城塞都市も素晴らしいですが、夜のライトアップによって、金色に輝く姿も大変美しいものです。ぜひとも、城塞都市の全景が見える「ポン・ヴィユー」や、「バスティード・サン・ルイ」から眺めたいところですね。
カルカッソンヌ・フェスティバル
7月になると、カルカッソンヌでは街をあげて行う一大イベント「カルカッソンヌ・フェスティバル」が開催されます。このイベントには、世界中から多くのアーティストが集い、各種音楽や演劇、サーカスなどのさまざまな芸術作品を楽しめるでしょう。フランス各地で行われる多くのイベントの中でも特に有名なイベントで、期間中には「革命記念日」もあり、花火が打ち上げられます。
カルカッソンヌの名物グルメ
郷土料理カスレ
ここカルカッソンヌの名物として有名なのが、「カスレ」という郷土料理。この料理は、「カソール」という土鍋で、ソーセージやアヒル肉、ガチョウ肉、羊肉などを白いんげん豆と一緒に煮込む、豆のシチューです。この料理はトゥールーズなどでも食べられていますが、地域によってバリエーションがありますので、ぜひカルカッソンヌの「カスレ」を食べてみてください。
ラングドック・ワイン
先にも書きましたように、カルカッソンヌからほど近い場所に、フランス有数のワイン生産地ラングドックがあります。ラングドックは、手頃な値段で楽しめる、おいしいワインが多いことで有名で、特にロゼワインが人気。カルカッソンヌで料理を楽しむ際は、合わせてラングドックのワインも飲みたいですね。
城塞都市カルカッソンヌ観光まとめ
ここまで書いてきたように、「歴史的城塞都市カルカッソンヌ」は、他の世界遺産に負けないほど魅力的な見どころがたくさんあるのです。そしてそれは、日本では到底味わえない、フランスという国特有の魅力であるといえるでしょう。フランス旅行に行く際には、この城塞都市を観光してみてはいかがでしょうか。