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スペイン旅行でやっぱり気になるのは治安
スペイン旅行5回以上、現在スペインに長期滞在中の私がスペイン旅行の際に気を付ける点についてご紹介します。私は今のところスリに遭いかけましたがまだ被害は受けておりませんが、友人の中ではスペインでスリなどの犯罪の被害に遭った方もちらほら。今回は私の経験も交えて、スペインの治安について解説します。
スペインの治安は日本に比べれば悪い!
スペインは特に治安の悪い国ではないのですが、スリなどの犯罪は非常に多い国だと言えます。特に日本はかなり治安がいい方なので、スリやひったくりに出くわした経験のある方は多くはないと思うのですが、スペインに関してはスペイン在住の友人やスペインに行った友人との会話でもスリに遭った話などはよく出てくるのが現状です。
実際の犯罪などの状況は?
現在スペインで生活をしており、何度もスペインに1か月ぐらい滞在したことのある私ですが、スペインにいて怖いなと思ったことはあまりありません。アメリカのように銃社会ではないので、そういった面では非常に安全とは言えますが、政治的に不安定な地域もあり、バルセロナなどは独立問題などのデモがある時もあるので、そこだけはチェックしておくのが無難です。多いのはスリなどの盗難の被害です。こちらは友人でも被害に遭った人は結構います。
邦人の被害状況
在バルセロナ日本国総領事館の情報によると、2019年の1月〜9月の間に邦人の犯罪被害件数が340件認知されているとのこと。そのうちの70%が置き引きとスリによる被害だそうです。特に最近はバルセロナの空港での犯罪も急増しており、到着した瞬間から気が抜けないと言っても過言ではありません。さらに最近ではケチャップスリ、パンクスリ、ひったくりの犯罪が急増しているとの情報があり、どの犯罪も昨年比より増加している状況にあるのが悲しい現実。
私の経験した犯罪と知り合いが実際に遭遇した犯罪
実は私もバルセロナにてケチャップスリに遭いかけた経験があります。突然、後ろから来たお兄さんに「リュックに鳥のうんこが付いている」と言われて、リュックに付着した汚れを取るからとリュックを触られた経験があります。周りにも、パスポートを盗まれた方、親切に道案内に対応している間にバッグを持っていかれてしまった方などもいます。その時の私は観光客でもあり、旅行中の被害が多いという印象があり、明らかに観光客という雰囲気だと狙われやすいという一面もあります。
安全旅行のためにスペインの治安で注意が必要なポイント
こちらでは犯罪の手口と実例について紹介していきたいと思います。手口を知ることで、未然に防ぐことが出来ます。結構パターン化されている犯罪の手口が多いので、その手口をいくつか知っていると、いざ怪しい人にあった際にどこに気を付ければいいのか対処をすることが出来ます。念のために最低限の知識があると安心です。
ひったくり
ひったくりは持っているバッグなどを無理矢理に奪うタイプの犯罪。自転車やバイクで近付いてきて無理矢理にものを奪ったり、道の角なのに隠れて待ち伏せをしてひったくる手口があります。手提げタイプのバッグはひったくりに遭う危険性があるので避けるのが無難です。後ろから自転車で走ってきてさっと盗んでいってしまうタイプのiPhone泥棒を見かけたことがあるのですが、iPhoneはこちらでも高価なものなので、あまり歩きスマホ等をしないことをお勧めします。
ケチャップスリ
ケチャップスリはケチャップや絵の具などを使って、わざと人のバッグや持ち物を汚し、汚れがついているから掃除をしてあげると親切を装って、付着したものを拭いているフリをして、その間にバッグの中の貴重品を盗んでしまうという手口です。いい人を装って近付いてくる手口なので、気を付けましょう。実際にはスペインにはバッグが開いていると危ないから教えてくれたりするいい人も多いのですが、犯罪者もいますので用心することも必要です。
ケチャップスリの犯罪実例
私は一度だけケチャップスリに遭遇したことがあります。幸いにも何も盗られずに終わりましたが、「鳥の糞が付いているよ」と若い男性に声を掛けられたので、リュックサックを見ると確かに茶色いシミが大量についていました。鳥の糞なわけがないほどあちらこちらを汚されていたので、すぐに物を盗むつもりだと気が付きましたが、こういう人に遭遇したらバッグは触らせないようにしましょう。大前提として、リュックサックは前に持つことがおすすめです。
目隠しスリ
目隠しスリとは道を教えてほしいと近付いてきて、地図をバッグを覆うように広げ、地図を眺めている間にその下からバッグの中の貴重品などを盗む手口です。他にもアンケート調査の人を装ってアンケートを取っているふりをして、アンケート用紙を挟んだバインダーの下から貴重品を盗む手口もあるので要注意です。悪い人である可能性がゼロではないので、アンケートは断るのが無難です。
パンクスリ
車のタイヤをわざとパンクさせ、車のタイヤがパンクしていると言っていて、手伝うふりをして、その間に車内の貴重品などを盗んでしまうと言う手口。スペインでは多く発生しています。二人組であることが多く、絶対に荷物から目を離さないようにしましょう。
スペインの都市毎の治安&危険情報
こちらでは都市毎の注意が必要なポイントについて説明します。スペインは都市毎に街の雰囲気や文化が異なるだけでなく、住んでいる人などが異なり、言語も多少異なるため、地域によって犯罪の多さなどは大きく変わります。
治安の悪い都市
基本的には安全ですが、スペインの中でスリなどの犯罪が多いという意味での治安が悪い都市について紹介します。犯罪が多いということを頭に入れて行動するだけども、旅行中に遭遇するリスクを減らすことが出来るので是非参考にしてみてください。
マドリード【スペインの首都は危険もいっぱい】
マドリードは世界的に有名な美術館などもあり、多くの人が観光に訪れるスペインの首都。特に地下鉄や電車の駅での犯罪も多いので、電車に乗られる際は細心の注意をしましょう。執拗に近付いてくる人はあなたの貴重品を狙っている可能性が対ですので、貴重品が入っている場所に彼らの手がかからないように気を付けてください。子どものスリも多いです。
バルセロナ【魅力的だけどスリなどの犯罪者が多め】
スペインの最大の観光都市と言えばバルセロナ。しかし、犯罪の件数は非常に多いのも事実です。最近はクレジットカードのすり替えの被害、空港での犯罪被害報告も増えています。また現地の人ですらバルセロナでは荷物から絶対に目が離せないと聞きます。バルセロナに行く際はどこに行くにもしっかり危機管理を忘れずに、観光を楽しみましょう。また時々デモなどもありますので、しっかりと情報をチェックしましょう。
治安の良い都市
こちらは比較的治安が良いと感じたスペインの都市について説明します。ほとんどの邦人被害はマドリードとバルセロナで起きているので、あとの地域は比較的安全だとは言えます。とは言え、下記で案内するバレンシア、セビージャ辺りは観光地でもあるため、邦人被害は出ています。
バレンシア【安全で治安が良いスペイン3番目の大都市】
バレンシアには1か月以上滞在をしたことがあるのですが、特に危険を感じたことはありません。比較的安全な地域で大都市でもあるため、留学エージェントの間でも治安が良いと言われており、留学先としても人気の都市です。とは言え、2019年にはバッグとシークレットベルトの紐を無理矢理に切られて荷物を盗まれてしまった事件が発生しているので注意も必要です。
セビージャ【フラメンコで有名な陽気な雰囲気の都市】
セビージャでも1か月ぐらい滞在したことがありますが、一度も危険な目に遭ったことはありません。ただ日本人のフラメンコ好きは知られており、観光で多くの日本人が来ることも知られているので、邦人の犯罪被害は毎年出ています。タブラオでのフラメンコ鑑賞後に貴重品を盗まれた友人もいますので、貴重品の管理はしっかりとするようにしてください。現地の方と一緒に行動したり、大勢でいると被害には遭いにくいです。
ガリシア地方【食べ物がおいしい地域】
シーフード料理なども美味しいことで有名な地域で非常に魅力のあるガリシア。こちらは非常に落ち着きのある地域で治安はかなり良い方と言えます。ガリシア地方には2回ほど行ったのですが、治安が悪いと感じたことはなく、スペインの中では安全な地域です。大きな観光地ではないため、スリなどの犯罪は少ないです。
バスク地方【美食で知られるスペイン北部】
バスク地方と言うと独立問題でテロなどがあった時期があるので不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のバスク地方は他のスペインの地域と比べると治安はかなり良い方です。サンセバスチャンなど人が多い地域は最低限の注意は必要です。
安全にスペイン旅行をするために注意するポイント
スペイン旅行に行く際にスリなどの犯罪の被害に遭わないようにするために注意するポイントについて紹介します。不注意が原因で被害に遭うことがありますので、注意するべきところをしっかりと注意して観光を楽しみましょう。ターゲットにされないように注意さえしていれば安全に旅行できる国です。
貴重品は必ず安全な所に
犯罪を未然に防ぐ第一歩!貴重品はバッグの奥にしまうなど、万が一バッグを開けられた場合にも取りにくい位置に入れて置くことも大事です。一番おすすめなのはシークレットベルトなどを利用して服の中に貴重品を入れて置くという方法です。私はいつも首からかけるタイプの薄いパスポートケースにお金などを入れて旅行しています。
バッグは絶対に後ろに背負わない
私は実際にリュックは後ろに背負って歩いている日が多いのですが、バルセロナなどではやめましょう。私もリュックでケチャップスリに遭いかけていますし、リュックは案外簡単に開けられてしまいます。スペインではないのですが、私も他の国でリュックのチャックを開けられて、すぐに気が付いて振り返ったら、若いカップルのような人が私のリュックのチャックを触っているところでした。現地の方でも、リュックは後ろに背負えないと言っている方に何人もあったことがあります。
お尻のポケットに長財布は論外
日本だとお尻のポケットに長財布を入れている方を多く見かけるのですが、これは絶対にスペインではNGです。お財布のありかが明白過ぎる上に、スッと盗られても絶対に気が付きませんので。私が友人と旅行をしていた際に、その友人はメトロの中で知らない人にポケットの中に手を入れられました。比較的混み合っていた電車だったので、そういう場所では簡単に盗まれてしまいます。
人通りが少ないところは歩かない、犯罪に巻き込まれる危険があります
人通りが少ない場所は避けましょう。少しでも治安が悪いかもしれない、危険な雰囲気があると思った場所は避けるのが無難です。万が一、犯罪に遭いかけたら、「ポリシア(警察)!」と叫ぶのも有効です。人目が多いところでは人目を引くことが出来る上、一瞬犯罪者がひるむ可能性もあるので、言ってみる価値はあります。「ポリシア!」と叫べば注目を集められるから、意外と便利だと旅行中に現地で暮らす人にアドバイスをされました。
高級ホテルに滞在中は特に注意
高級ホテルのゲスト=お金持ちなので、スリ等の犯罪のターゲットにはされやすいです。ホテルの入り口付近やロビーでの犯罪は少なくないので、絶対に荷物からは手を離さないようにしましょう。マドリードなどでは犯罪の被害が結構出ているのが現状です。
助けを求めてくる人、お金を落とした人は無視
冷たいように聞こえますが、わざとコインを落として拾うのを手伝ってもらい、その間にその仲間がバッグなどを盗むという手口があります。また道がわからないと言って、地図を広げてくる人も注意が必要。広げた地図の下から貴重品を狙っている可能性が高いです。親切にしたが故に被害に遭った方は少なくありません、ここは無視して逃げることをおすすめします。
ホテルは予約前に治安が良い地域かをチェック
ホテルを予約する際に念のため、地図で場所を確認したり、治安が良いかは確認をした方が安全です。例えばあまり細い道の多いところだと、迷う可能性もありますし、あまり治安が良い場所ではない可能性もあります。大通りに面している場所の方が、人通りも多いので安心です。
日本人バレしないようにする
あまりガイドブックに夢中になり過ぎていたり(地球の歩き方を持っているのは日本人と知っているスリもいます)、あまり高価なものを持っていると、日本人だと判断されて、被害に遭う可能性もあるので注意してください。どんなに中国の経済や技術の発展が著しくて富裕層が多くても、海外の人は日本人=お金持ちだと思っている犯罪者は多くいますので注意をしましょう。
危険情報をしっかり頭に入れて安全で楽しいスペイン旅行を楽しもう
いろいろと書いてきましたが、スリや犯罪などはしっかりと注意をしていれば防ぐことも出来ますし、何よりも普通のスペイン人は親切で明るい人が多いので、スペインに行かれる際は楽しいスペインの雰囲気を楽しんでみてください。最後に、スペインはマリファナを吸っている人が少なくありません。宿の宿泊客に勧められることもあるかもしれませんが、死ぬかと思ったという経験をしたことがあるという人もいたので、きちんと断りましょう。
ライター撮影