台湾の台北MRTとは?
MRTって何のこと?
台北MRTの正式名称は台北捷運。「捷運(しょううん)」という言葉は、一部地上区間が存在するものの地下鉄全般を指しており、台湾独自の言葉です。英語で言うと「MRT」のため、台北MRTと呼ばれており、他には北捷、台北地下鉄、台北メトロとも呼ばれています。MRTは現在台湾全土で、台北MRT、桃園MRT、高雄MRT、新北MRTの一部が運行されていますが、今回は台北MRTについてご紹介しましょう。
台北MRTについて
台北MRTは台北市内を走る地下鉄ですが、一部地上の高架区間も存在します。台北市内の移動で最も速くて便利な公共交通手段。約5分ごとに1本の割合で列車が来るので、通勤通学の足としてだけではなく、世界中の観光客にも気軽に利用できる手段として親しまれています。料金も大変安いため利用しやすいです。MRT駅構内では禁煙はもちろんのこと、一切の飲食も禁止されているので常に清潔感があります。
台湾の台北MRT:きっぷや便利なICカードのご紹介
台北MRTに乗車するためには、きっぷが必要です。では、どのような種類のきっぷがあるのでしょうか。日本と同じように便利なICカードや乗り放題カードが存在します。台北MRTをフルに利用して観光をするという場合は、ICカードや乗り放題カードの方が便利でお得なので、チェックしてみてください。買い方と合わせてご紹介します。
トークン
日本でいう長方形のきっぷに該当するのがトークンです。トークンは青い丸型で、紙ではなくプラスチック製。各駅にある券売機で購入できます。日本語表記はありませんが、日本で見るような路線図が付いているので、目的地を探すのは簡単。料金は日本同様距離で異なりますが、普通料金で20〜65元と日本に比べると大変安いです。
トークンの買い方
券売機でのトークンの買い方はこちらです。
- 路線図で目的地の運賃を確認し、券売機の画面左側をタッチ。
- 運賃を選択する画面が出たら、目的地までの運賃をタッチ。
- 現金で料金を支払います。
- 現金を入れると、指定した運賃の確認画面が表示されて発券が始まります。
悠遊カード(Easy Card)
悠遊カードは、日本のSuicaやPasmoのようなICカードで、MRTやバスの乗車、コンビニでの支払いなどに利用できてとても便利です。悠遊カードは、以前は返却でデポジットが戻るタイプがありましたが、現在は買取タイプのみに統一されているのでご注意ください。MRT桃園空港駅の自動販売機、MRT各駅のカウンター、コンビニで購入できます。悠遊カード自体の料金は100元です。プラスチャージ料金がかかります。
MRT桃園空港駅の自動販売機での買い方
券売機にはトークン用と悠遊カード販売・チャージ用があります。ただ、500元(悠遊カード代100元+チャージ400元)のセット料金以外に選択肢はなく、購入時には1000元紙幣が使えません。高額紙幣しか持っていない場合は、併設の両替機で両替をしましょう。桃園空港駅の券売機は日本語選択ができるので安心です。「カードを購入する」表示をタッチして進んでください。
MRT各駅のカウンターでの買い方
MRT桃園空港駅の券売機では、チャージ金額が固定で選択できませんでしたが、桃園空港線以外のMRT各駅で買う場合はチャージ金額が指定できます。悠遊カードは、各駅の駅員がいる窓口で購入可能です。駅員には英語で悠遊カードを買いたい旨伝えましょう。するとチャージ金額を聞かれるので、チャージしたい金額を伝えます。残念ながら日本語は通じないので、聞かれるキーワードを覚えて、単語だけでも覚えておきましょう。
コンビニでの買い方
セブンイレブンやファミリ-マートといったコンビニでも購入できます。他の商品と並んで商品棚に陳列されており、キャラクターがデザインされたカードがあるのもコンビニの特徴なので、かわいいカードを思い出に持ち帰りたい方にはコンビニもおすすめです。ちなみにカードにチャージはされていないので、カードを購入してからチャージをする必要があります。全てのコンビニで扱っているわけではないので要注意です。
Taipei Fun Pass
Taipei Fun Passは乗り放題カードです。種類は無限周遊カード、交通周遊カードの2種類。このきっぷで台北MRT全線、台北市と新北市の一部のバス、台湾好行バスの一部の路線が乗り放題になり、さらに台北市内約180店で使えるクーポン特典が付いています。ただし、MRT桃園空港駅から台北駅間路線は乗り放題に含まれないのでご注意ください。
無限周遊カード
無限周遊カードは以下3種類です。
- 1日券:1,200元
- 2日間券:1,600元
- 3日間券:1,900元
交通周遊カード
交通周遊カードは以下5種類です。
- 1日券:180元
- 2日間券:310元
- 3日間券:440元
- 5日間券:700元
- 猫空ロープウェー1日券:350元
台湾の台北MRT:乗り方
改札を通る方法
きっぷを購入したら早速台北MRTへの乗車です。乗り方は日本の地下鉄とほぼ同じなので、緊張する必要はありません。日本と同様自動改札が設置されています。トークンの場合は、ICカードをタッチする部分にトークンをタッチすると改札が開き、改札を出るときはトークン投入部にトークンを入れると出られる仕組みです。ICカードの場合は改札へ入るときも出るときもタッチするのみ。日本のSuicaなどと同じです。
降りるときの注意
台北MRTも日本の地下鉄同様、出口がたくさんあります。事前に目的地へ一番近い出口を調べておくのがよいでしょう。構内にも地図が貼ってあるので合わせて確認してみてください。乗車してから下車するまでの有効時間は2時間以内と決められており、時間を守らなかった場合は罰金対象なので注意しましょう。
目的の電車への乗り方
改札を入ったら、日本と同じように目的地へ向かう電車を探してホームへ向かいます。行き先に関する台湾語を少しご説明しましょう。
- 「往~」=「~行き」
- 「月台」=「プラットホーム」
- 「博愛座」=「優先席」
乗り方のマナー
乗り方のマナーは日本と同じと考えて間違いないです。
- 乗降時は降りる人が優先。
- 駅構内や車内では禁煙、飲食禁止。
- 優先席では体の不自由な方などへ配慮する。
台湾の台北MRT:路線図
台北MRTは5ラインが運行しており、各路線が色分けされていてとてもわかりやすくなっています。R(レッド)、O(オレンジ)、BL(ブルー)、G(グリーン)、BR(ブラウン)が各路線の色です。この5本が交差するように走っており、台北の街の交通を支えています。ホームや乗り場もこのカラーで表示されているので、色を探して乗ればいいだけで観光客には簡単で有難いですね。
青色ライン:板南線
南港展覧館駅〜頂埔駅をつないでいる路線です。この路線沿いには台北駅、西門、龍山寺、国府記念館、新光三越など有名観光スポットがたくさん。6時から24時まで、5分から12分間隔で運行しており、南港展覧館駅から頂埔駅までは、約47分で結んでいます。沿線に有名観光地が多いため、観光客の利用も多いです。
赤色ライン:淡水信義線
淡水駅〜象山駅をつないでいる路線です。板南線と並び、観光に便利な路線。台北101駅、台北駅、中山駅、象山駅、士林駅、淡水駅など、台北旅行でマストの観光エリアを通っています。6時から24時まで、3分から12分間隔で運行しており、淡水駅から象山駅まで約53分で結んでいます。
茶色ライン:文湖線
南港展覧館駅〜動物園駅をつないでいる路線です。松山空港を通っている路線のため、松山空港利用の観光客にはとても便利。6時から24時まで、2分から12分間隔で運行しており、南港展覧館駅から動物園駅まで約45分で結んでいます。松山機場駅、動物園駅、忠孝復興駅など、観光の穴場スポットを通る路線のため、ディープな台北を味わいたい方におすすめです。
オレンジ色ライン:中和新蘆線
南勢角駅〜迴龍駅・蘆洲駅をつないでいる路線です。大橋頭駅を分岐点として、2つの方向に分かれているのが特徴的。6時から24時まで、3分から12分間隔で運行しており、南勢角駅から迴龍駅までは約47分、南勢角駅から蘆洲駅までは約38分で結んでいます。大橋頭駅、忠孝新生駅、行天宮駅などが有名な駅で、観光にはあまり使わない路線とも言えるでしょう。
緑色ライン:松山新店線
松山駅〜新店駅をつないでいる路線です。西門駅、中山駅、公館駅、松山駅、中正紀念堂駅など台北観光のメインスポットが沿線にありとても便利。6時から24時まで、3分から12分間隔で運行しており、松山駅から新店駅までは約36分で結んでいます。
桃園空港MRT
桃園空港と台北市内を結ぶ桃園空港MRT(空港線)についてもご紹介します。桃園空港から台北駅までを直達車(エクスプレス)なら35分、普通車(各駅停車)なら45分で結んでおり、台北市内へ少しでも早く入りたければ、ぜひ利用しましょう。早朝6時台〜深夜23時台まで運行しています。片道料金は150元、直達車でも普通車でも料金は変わらないので、直達車への乗車をおすすめします。
台湾の台北MRTのまとめ
台北MRTが観光にも利用できる便利な移動手段であることがわかりましたね。きっぷも種類が複数ありますので、自分の旅行計画に合ったきっぷを購入しましょう。買い方、乗り方ともに日本の地下鉄とほぼ変わらないので、戸惑うことなく乗れます。乗り方のマナーも意識しつつ、台北MRTを快適かつ効率的に利用できるといいですね。