インドネシアの公用語
インドネシアの人口は年々増え続けていて、現在2億6千万人。インドネシアには1つの国の中で多くの民族が生活しています。それぞれの民族が独自の言葉を持っているため、多くの言語が国内に存在しますが、学校などで使われる、国が定めるインドネシアの公用語は「インドネシア語」です。
インドネシアで使われている多言語
インドネシアの使用言語は707言語。この数は世界で2番目に多い国内の言語数です。インドネシアは「公用語」のインドネシア語の他に、バリ島のバリ語、ジャワ島のジャワ語というように「地方語」があります。それぞれの生活地域においては、主に「地方語」が使われています。学校などでは、公共語であるインドネシア語が使われていますが、家では地方語を話すという環境の人が多いです。
インドネシア語の歴史
1928年に行われたインドネシア青年会議における決議をきっかけに、インドネシア語は公共語として認められました。インドネシア語のもとは「ムラユ語」です。「ムラユ語」はマラッカ海峡の周辺で使用されていた、海上交易の共通語。多くの人がムラユ語を海上交易で使う必要があったため、習得しやすく、「ムラユ語」が採用されたと考えられます。
インドネシア語は簡単?
世界には約7000の言語があるといわれています。そして、インドネシア語は世界の中でもとても簡単な言語として知られているんです。ここからは、言語の基本となる「文字」「文法」「発音」の3つを取り上げて、インドネシア語の特徴を見ていきましょう。
文字
インドネシア語はアルファベット文字が使用されています。読み方もローマ字読みなので、初めて学習する人で言語の意味は分からずとも、インドネシア語を読み、発音することが可能です。英語学習者であれば文字から学習する必要がないため、学習しやすいと言えます。
文法
インドネシア語の文法は英語と同じで、主語+動詞+目的語です。そのため、英語学習者にとって習得しやすいとされています。またインドネシア語には時制がありません。英語では、過去形など時制によって動詞を活用する必要がありますが、インドネシア語はその必要がないんです。その代わり、インドネシア語では「今日」「明日」「昨日」など、時制を表す言葉を目的語の後につけることで、動詞を活用せず時制を表すことができます。
発音
インドネシア語の発音は、基本的にローマ字読みと同じなので、日本人にとって読むことは比較的ハードルが低いです。インドネシア語が英語と異なる点は、母音数。英語の母音は26ありますが、インドネシア語の母音はたった6つです。発音も、英語より簡単であると言えるでしょう。
旅行で使えるインドネシア語
インドネシアの公用語である「インドネシア語」が、比較的簡単に習得できる言語である、ということを見てきました。比較的簡単な言語だからこそ、現地語が少しでも分かったら旅は楽しくなります。次は、すぐに使える簡単なあいさつや、旅行で知っておくと便利なフレーズを紹介していきます。
インドネシアの公用語〜あいさつ〜
旅先で聞く機会も多く、実際に知っておくと便利な言葉があいさつです。基本的なあいさつを覚えておくだけで、コミュニケーションの幅がグッと広がります。ここでは基本的な内容をご紹介します。ぜひ旅行の際に使ってみてください。
こんにちは
- Selamat siang(セラマットシアン):10時〜16時の日中に使う「こんにちは」です。
- Selamat sore(セラマットソーレ):16時〜18時の夕方に使う「こんにちは」になります。
- Halo!(ハロ!):この「こんにちは」は、友人や家族などに使うカジュアルなあいさつです。目上の方に使うのは失礼にあたるので、気をつけましょう。
おはようございます
Selamat pagi (スラマッパギ):インドネシアで「おはようございます」というあいさつは、大体10時頃まで使われています。「Selamat pagi」は、友達や家族に対してだけではなく、目上の人や上司などに対しても「おはようございます」として使うことができます。
こんばんは
Selamat malam(スラマッマラム):インドネシアで「こんばんは」は大体18時頃から使われます。「Selamat」には「おめでとう」という意味合いがあります。「Selamat」の後ろに朝、昼、夜などの時制の単語をつけることによって、それぞれの時間帯に合ったあいさつが表現できるんです。
はじめまして
Kenalkan(クナルカン): 「こんにちは」についで「はじめまして」も言えると、初対面の人と話しやすいですよね。また、「Senang bertemu anda」(スナングベルテムアンダ)も初対面の人に使えるあいさつです。日本語に直訳すると、「あなたに会えて嬉しいです」という意味になります。
さようなら
Selamattinggal(スラマッティンガル):別れ際によく使う言葉になります。便利なので、ぜひ覚えておきましょう。また、「Sampaijunpa」(サンパイジュンパ)は「またね!」という意味があります。これに時制の言語をくっつけると、「また明日ね!」という意味で使うことができます。
インドネシアの公用語〜お礼と謝罪〜
旅行先では、ツアーコンダクターやレストラン、ホテルの方などにお世話になったらお礼をする場面が、迷惑をかけてしまったら、謝罪をする場面が出てくるかもしれません。インドネシア語でお礼や謝罪が言えれば、きっと相手もにっこりとしてくれるはずです。
ありがとう
Telimakasih(テリマッカシ):「Telimakasih」は「telima」と「kasih」の2つの言語を合わせた言葉です。「telima」は受け取る、「kasih」は愛情・与えるという意味です。愛情を受けとりました=ありがとう、という意味合いになります。単語の意味を知ってると、なおさら覚えやすいですね。
ごめんなさい
Maaf(マアッフ):友達同士の場合は「sori 」(ソリ)という、カジュアルな謝罪の言葉もあります。より丁寧にきちんと謝罪したいときは「Saya minta maaf」と言いましょう。これは「どうかお許しください」という意味合いになり、「Maaf」より丁寧に謝罪をすることができます。
どういたしまして
Sama-sama(サマサマ):ありがとうと言われた際に返す言葉です。インドネシア語の中でも、繰り返すだけなので覚えやすいでしょう。「お互い様」という言葉の意味合いに似ているため、特に日本人は覚える時に意味と関連付けて、覚えやすいのではないでしょうか。
数字
インドネシアで買い物をするとき、何個欲しいか伝えたい時があると思います。多くの場所では英語でも通じますが、せっかくなら現地語を使ってみると、現地の人とコミニュケーションをとることが楽しくなります。数字を知っていると、あらゆるところで使えて便利です。
1 | satu(サトゥ) |
2 | dua(ドゥア) |
3 | tiga(ティガ) |
4 | empat(ウンパッ) |
5 | lima(リマ) |
6 | enam(ウナム) |
7 | tujuh(トゥジュフ) |
8 | delapan(ドゥラパン) |
9 | sembilan(セムビラン) |
10 | sepuluh(セプルフ) |
インドネシアの公用語〜すぐに使える便利なフレーズ〜
あいさつやお礼、謝罪が言えるようになったら、次は旅先で使える便利なフレーズを紹介します。「買い物をするときに値段交渉をしたい」「近くまできているはずだけれど、場所が分からない」「緊急時」などのケースで、覚えていたら便利なフレーズを見ていきましょう。
これはいくらですか?
Berapa halga ini?(ブラパハルガイニ?):買い物をするときに使うことができます。百貨店やショッピングセンター、スーパーなどでは値段表記があることがほとんどですが、路面店などでは、商品にタグがついていないものも多いです。そのため、買う前にいくらか確認する際に使うことができます。
すごく高い!
Mahalsekali!(マハルセカリ):金額を提示された後に使える表現です。タグが付いていないものに関して、特に観光客の場合は、ぼったくられる可能性もあります。この言葉を覚えて反応することで、次に紹介する値段交渉の言葉に繋げることができるでしょう。
値切ってもいいですか?
Boleh saya tawar?(ボレサヤタワル?):値段交渉の際に使える言葉です。「少し高いかな」と感じた時はとりあえず、もう少し安ければ買うのに、という雰囲気を出しながら言ってみましょう。もしかすると、値段を下げてくれる可能性もあるので、使ってみてください。
○○に行きたい
Saya mau pergi ke ○○(サヤマウペルギク〇〇):〇〇の部分を変えることで、自分の行きたい場所を相手に伝えることができます。近くまで来ているはずだけれど、目的地が見つからない時や、道を聞く際などに使うことができ便利です。ぜひ覚えておきましょう。
トイレはどこですか?
Di mama toilet?(ディマナトイレット?):これは旅行の際、かなり万能に使えるフレーズです。toiletの目的語を他の言語に変更すると「〇〇はどこですか?」と聞くことができます。初めての土地で、ましてや海外となるとスムーズに目的地にたどり着くことばかりではありません。駅や観光スポットの場所を聞きたいときにも、使うことができます。
インドネシアの公用語まとめ
インドネシアの公用語である「インドネシア語」は、英語学習者である日本人には比較的親しみやすい言語だと言えます。今回ご紹介した、あいさつやお礼、謝罪、数字、便利なフレーズなどのインドネシア語を使って、ぜひ楽しい旅行をしてください。