花の特性から名付けられた漢字表記
花の咲く時期や咲く場所など花の特性から名付けられた植物は、由来を知らないとなぜそういった表記になったのかわからない種類が多いです。漢字表記を覚えれば花の特性も一緒に覚えられるので、より豊かに花を楽しめます。
①サツキ
皐月
サツキは漢字で皐月と書き、日本の旧暦を知っていれば簡単に読めます。埼玉県和光市や栃木県宇都宮市の市の花として採用されているほど馴染みのある品種で、道端で見かけることも多い植物です。ツツジの中の1つの種類で、盆栽として栽培されていることも多いです。
名前の由来は植物の性質にあります。5月、皐月の頃に咲くのでサツキと名付けられた説が有力です。
②コスモス
秋桜
コスモスの漢字表記は秋桜です。明治時代に渡来した外来種で、秋に咲く桜のような花ということで名付けられました。
もともとはそのまま「あきざくら」と呼ばれていました。しかし山口百恵さんの曲名として採用され、「秋桜」と書いて「コスモス」という読み方が広まり、今では「秋桜」と書いて「コスモス」と読むようになったと言われています。
③ノウゼンカズラ
凌霄花
ノウゼンカズラは、漢字では凌霄花と表記します。平安時代には中国から日本に渡来していたと言われる植物で、和名は中国での名前に由来します。凌霄とは空を凌ぐ志の高いさまのことを指し、空を凌ぐほど高くまでつるが伸びていく花、ということで命名されました。
④チューリップ
鬱金香
チューリップは和名では鬱金香と呼ばれ、うこんこうと読みます。童謡にも登場するほど日本人に親しまれていますが、漢字表記はあまり知られていません。
チューリップの香りがウコンの香りと似ていることを表すと言われています。美しい姿に惑わされず、独特な匂いがする花の性質をよく捉えている和名です。近年ではよい香りのするチューリップも開発されています。