目次 [表示]
- なぜイタリアには有名な世界遺産が多いの?
- イタリアの圧倒的に多い世界遺産数
- イタリアの世界遺産登録数が多い理由は?
- イタリアの有名世界遺産:自然遺産スポット 3選!
- 自然遺産:ドロミーティ(2009年)
- 自然遺産:エトナ山(2013年)
- 自然遺産:ブナ原生林群(2017年)
- イタリアの有名世界遺産:文化遺産スポット 3選!(遺跡編)
- 文化遺産 - 古代遺跡:コロッセオ(1980年)
- 文化遺産 - 古代遺跡:フォロ・ロマーノ(1980年)
- 文化遺産 - 古代遺跡:ポンペイ遺跡(1997年)
- イタリアの有名世界遺産:文化遺産スポット 5選!(建築物編)
- 文化遺産 - 建築物:フィレンツェ歴史地区(1982年)
- 文化遺産 - 建築物:シエナ歴史地区(1995年)
- 文化遺産 - 建築物:ヴェネツィアとその潟(1987年)
- 文化遺産 - 建築物:アマルフィ海岸(1997年)
- 文化遺産 - 建築物:アルベロベッロのトゥルッリ(1996年)
- まとめ・大切に受け継がれるイタリアの歴史
なぜイタリアには有名な世界遺産が多いの?
イタリアの圧倒的に多い世界遺産数
先進国であるイタリアには実に55件にものぼる世界遺産が登録されています。その数は2019年の現在、中国と並んで世界第1位です。イタリアは日本より面積が狭いですが、日本の世界遺産は23件ですので、これに比べるとイタリアは2倍以上の世界遺産数を有していることになります。
イタリアの世界遺産登録数が多い理由は?
古代から多彩な文化を築き上げてきたヨーロッパですが、各国の世界遺産登録数と比べると全体的にヨーロッパ、特に先進国に世界遺産が多く存在しています。その中でも特にイタリアに世界遺産が集中しているのはなぜでしょうか?4つの理由を見ていきましょう。
世界遺産の多い理由:① 長い歴史を持つイタリア
1000年以上ローマ帝国として繁栄した過去を持つイタリアですが、世界遺産の数は現在のローマだけで13ヵ所にも上ります。イタリアの世界遺産は5分の1以上がローマに存在することになるのです。またローマ時代には既に文字文化があり、歴史的背景を書物から読み取ることが可能でした。長い歴史あるローマや、ルネサンス期、バロック期の中心であったバチカンといった都市がイタリアに密集していることが影響しています。
世界遺産の多い理由:② 恵まれた気候
地中海性気候のイタリアは、温暖で雨の少ない性質を持った地中海に面しています。高温多湿では無く、穏やかな気候であることは世界遺産が残存する重要な鍵となりました。ローマと東京の気温はほぼ同じと言われていますが、日本と違って比較的雨が少ないことから建物や書物が傷みにくいという点に恵まれたのです。
世界遺産の多い理由:③ 建物の状態が良い
世界遺産の建築物登録のためには、建築当初の材料のままであることが条件となっています。石でできていれば劣化は進みにくいです。イタリアにはこの石造りの建物が数多く存在します。気候も関係していますが、日本は木造建築ばかりな上に、木材というのは定期的に交換されることから当初のままの材料というのは非常に難しい条件なのです。
世界遺産の多い理由:④ 世界遺産条約の設立
今では審査が厳しくなっているこの世界遺産登録ですが、発足当初は世界遺産条約に関して欧米が主導権を握っておりまた、当時は登録が簡易的だったことも一つの要因です。当時から世界遺産に対して力を入れ積極的に推薦し、登録数を一度に大量に増やしたのがヨーロッパだったことも世界遺産の多い理由の一つなのです。現在は各国が世界遺産候補を1年に1件ずつユネスコ(国際連合教育科学文化機関)へ推薦をすることが可能となっています。
イタリアの有名世界遺産:自然遺産スポット 3選!
まずは世界自然遺産に登録されているイタリアのスポットからご紹介します。世界遺産の分類の1つである自然遺産は、貴重な地域や自然のことを指します。動植物群の進化や発達におけるプロセスが観測できる・地下学的な進行過程が見受けられるといった登録基準があります。
自然遺産:ドロミーティ(2009年)
イタリアの北東部に存在するドロミーティ山脈です。区内にあるミズリーナ湖は「ドロミーティの真珠」とも呼ばれ、赤茶色の岩肌をしている力強い山々に囲まれています。この大自然の中でのトレッキングも可能です。冬はスキー客で賑わいます。
自然遺産:エトナ山(2013年)
シチリア島にある標高役3300mのヨーロッパ最大級の活火山です。50万年前から現在も火山活動を続けています。火山とその斜面はエトナ公園となっていて、荒野や溶岩で埋もれた家を間近で見るにはバスやロープウェイを乗り継いで見に行くことができます。遠くから眺めたい時は私鉄チルクメトネア鉄道からがおすすめです。
自然遺産:ブナ原生林群(2017年)
東西185km、総面積2万9278ヘクタールに及ぶブナ原生地域です。全12カ国がこのカルパティア山脈のブナ林をまたがり、国境を越えた世界最大級の世界遺産となっています。他にも多様な植物、114種もの動物が共存して生態性を守っています。
イタリアの有名世界遺産:文化遺産スポット 3選!(遺跡編)
次に世界文化遺産から遺跡スポットをご紹介します。イタリアの首都であるローマは、国際的に有名な大都市であるにも関わらず地下鉄が少ないのをご存知ですか?これはローマの地下には古代遺跡がたくさん埋まっているために開発が進まないことが原因となっています。イタリアの街中はまだまだ発掘しきれていない遺跡で溢れていることが分かります。
文化遺産 - 古代遺跡:コロッセオ(1980年)
コロッセオは古代ローマ帝国を代表する円形劇場で『コロシアム』の語源となったとも言われています。剣闘士と猛獣が戦う見世物は人々の娯楽となり、当時は様々な身分の人たちが熱狂しました。年鑑数千人もの剣闘士がここで命を落としたと言われています。罪人の処刑場としても使用されました。
文化遺産 - 古代遺跡:フォロ・ロマーノ(1980年)
フォロ・ロマーノは、東西約300m、南北約100mに存在する古代ローマ『フォルム・ロマヌム』の遺跡です。大小様々な遺跡が残されています。現在は基礎の一部や柱のみが残っていますが、巨大な石造りの神殿や下水道まで整備されたいたことから高度な建築技術が伺えます。
入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
大人 | 12€ (WEB予約:14€) |
約1,440円 (WEB予約:約1,680円) |
子供 (18歳以下) |
無料 | 無料 |
- 毎月第一日曜は無料
- 「コロッセオ」「パラティーノの丘」との共通チケット
- 有効期限2日間
文化遺産 - 古代遺跡:ポンペイ遺跡(1997年)
南イタリアのナポリにある世界遺産です。ポンペイの街は娯楽も充実した港町として活気に満ち溢れていましたが、ヴェスヴィオ山の噴火によってポンペイ一帯が灰に埋もれた街として有名です。一瞬にして軽石と火山灰によって覆い尽くされたことで、街の生活の跡がそのまま地上に残されることとなりました。
入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
大人 | 15€ | 約1,800円 |
子供 (18歳未満) |
無料 | 無料 |
- 毎月第一日曜は無料
イタリアの有名世界遺産:文化遺産スポット 5選!(建築物編)
建築物は主にカトリック教会関連の建造物が多くなりますが、街そのものが世界遺産となっている地区も多く存在します。イタリアにはまだ世界遺産に正式に登録されていない暫定的なリストもあるため、これからも世界遺産は増え続けていくでしょう。美しい世界遺産の街並みを散策することができるのも、イタリア旅行の醍醐味です。
文化遺産 - 建築物:フィレンツェ歴史地区(1982年)
フィレンツェはトスカーナ州の州都であり、ルネサンス時代の数多くの建物や名画で知られています。街は当時の功労者と言えるメディチ家の財力のおかげで発展し、数多くの素晴らしい芸術品が残されました。歴史的な街が世界遺産となっているフィレンツェ地区にある有名スポットを何点かご紹介します。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
街のシンボルでもあるドゥオモ(大聖堂)は、上から街並みを一望することができます。かなり狭い階段をひたすら登るしかありませんが、間近で見られるクーポラ(天蓋)の天井画の迫力は圧巻です。
入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
大人 | 18€ (WEB予約:20€) |
約2,160円 (WEB予約:約2,400円) |
子供 (6~11歳) |
3€ (WEB予約:5€) |
約360円 (WEB予約:約600円) |
5歳以下 | 無料 (WEB予約:2€) |
無料 (WEB予約:約240円) |
- 有効期限 最初の施設に入場してから72時間
- 入場可能施設:クーポラ/ジョットの鐘楼/サン・ジョヴァンニ洗礼堂/サンタ・レパラータ教会遺構/ドゥオモ付属博物館
ウフィツィ美術館
アルノ川沿いに建つこの美術館はもともとトスカーナ大公国の政府庁舎として建築され、ルネサンス絵画での代表的なボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」、他にもレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど有名な芸術家の作品が数多く展示されています。年間200万人もの来場者が訪れる観光スポットですのでWEBでの事前予約がおすすめです。
入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
大人 (3/1~10/31) |
20 € (WEB予約:24€) |
約2,400円 (WEB予約:約2,880円) |
大人 (11/1~2/28) |
12 € (WEB予約:16€) |
約1,440円 (WEB予約:約1,920円) |
子供 (18歳未満) |
無料 (WEB予約:4€) |
無料 (WEB予約:約480円) |
ヴェッキオ橋
アルノ川に架かる橋で、ヴェッキオ(イタリア語で古い)の名の通りフィレンツェ最古の橋です。世界大戦での崩壊を街で唯一逃れた橋ということから『奇跡の橋』と言われています。当時は肉屋や青果店が並んでいましたが現在は宝飾店が立ち並んでいることで有名です。実は橋は二階建てで、ウフィツィ美術館やピッティ宮殿を結んだ回廊となっています。
文化遺産 - 建築物:シエナ歴史地区(1995年)
シエナは銀行業で中世時代に発展したテラコッタ色の建物が並ぶ美しい街です。農産業も盛んなため、シエナ地方ならではの美味しいレストランがたくさんあり、観光客にとってはとても行きやすい世界遺産地区となっています。坂も多いことから眺めが大変良い街です。
シエナ大聖堂
ゴシック様式の教会で、細部にいたるまで彫刻で象られておりその姿は壮観です。内部はとても広く、図書館や洗礼堂、付属美術館など計9か所の見学スポットがあります。
入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
3月1日~6月26日 8月1日~8月13日 10月27日~10月31日 |
4€ | 約480円 |
床の装飾を一部開放 6月29日~7月31日 8月18日~10月26日 |
7€ | 約840円 |
- 大聖堂のみ
- 他観光地を含めた共通券も有
カンポ広場・マンジャの塔
イタリアで最も美しいと言われる扇形の広場です。ゆるやかな傾斜に街の人々が腰かけて思い思いの時間を過ごします。テラス席のあるカフェやレストランが広場の周りを囲み、シエナ一の高さを誇るマンジャの塔を眺めることができます。この広場では夏に2回、競馬が開かれ大いに賑わいます。
マンジャの塔 入場料
ユーロ | 日本円 | |
---|---|---|
大人 | 10€ | 約1,200円 |
子供(10歳以下) | 無料 | 無料 |
文化遺産 - 建築物:ヴェネツィアとその潟(1987年)
水の都として世界的に有名な街ですが世界遺産登録名としての正式名称は『ヴェネツィアとその潟』になります。5世紀ごろにゲルマン族の侵入から逃れるため、湿地帯であった場所に街を作り始めたことから誕生しました。100以上の島々が400の橋、150を越える運河で結ばれています。
サン・マルコ広場
アドリア海にむかって広がる広場でヴェネツィアの街の中心部です。ナポレオンが「世界で最も美しい広場」と評しました。サン・マルコ寺院やドゥカーレ宮殿もここにあります。
リアルト橋
橋の上は観光客で大変混雑しています。ヴェネツィア屈指の人気観光スポットの一つです。夜は周辺の船着き場やカフェなどの淡い光が水面に反射してとてもロマンチックな夜景スポットになります。
文化遺産 - 建築物:アマルフィ海岸(1997年)
『世界一美しい海岸』として伝わるサレルノ湾に面した海岸がこのアマルフィ海岸です。海岸線の斜面には小さな街が点在しており、高級リゾート地として知られています。美しい街は優れた建築技術で造られた建物で溢れており、長い歴史を感じることができます。海水浴シーズンは7~8月でビーチにはたくさんの海水浴や日光浴を楽しむ人々で溢れます。散策は4~6月がおすすめです。
文化遺産 - 建築物:アルベロベッロのトゥルッリ(1996年)
この『トゥルッリ』とは伝統的な白い壁に石を積み重ねたとんがり屋根の家屋のことを言います。かわいらしい外観ですが、土地の建物の数に対して税金を納めなければならず、壊しやすく建てやすい簡易的な建物を作ることを目的としたのがトゥルッリの始まりでした。住居のみならずお土産屋さんやペンションとして経営しているトゥルッリもあります。おとぎ話のような街並みを散策してみましょう。
まとめ・大切に受け継がれるイタリアの歴史
今回はイタリアにある世界遺産11選のスポットをご紹介しました。イタリアに世界遺産が数多く存在するのには明確な理由がありましたが、何よりイタリア人が古くから自分たちの文化や文明を誇りに思い、後の世に伝えようとしたことが大きいと言えるのではないでしょうか。イタリア旅行の際にはぜひ古代ローマやルネサンス期の人々に思いを馳せながら、世界遺産に触れてみて下さい。
- 1€=約120円 2019年9月現在