目次 [表示]
- ドイツの治安について
- ドイツ国内での治安悪い都市ランキング
- 在住者が語る近年のドイツ治安事情
- まずは滞在先の安全確認をしてから出発しよう
- 外務省ホームページをチェック
- 海外旅行保険に加入
- 家族に滞在先を連絡
- オクトーバーフェストの治安、注意点
- 世界一のビール祭りの治安、犯罪
- 酔っ払いのケンカ、からみを避けるために
- 宿泊先でのトラブルに注意
- ドイツのクリスマスマーケットの治安、注意点
- 店員によるぼったくり
- 周辺の暗闇に注意
- 怪しげな自称案内人は相手にしない
- 旅行者ができるテロ対策
- ドイツでテロに特に注意したい時期
- 人ごみの多い場所でどうすればいいか
- 宿泊で注意したいこと
- ホテルの料金で選ばない
- 駅前を避けた立地のホテルを選ぶ
- 客室の清掃時の窃盗にご用心
- 電車で注意したいこと
- 混んでいる車両では荷物に注意
- 車内での生活困窮者への対応
- 無賃乗車(Schwarzfahren)にご用心
- その他注意したいこと
- 事故多発!ドイツでは自転車レーンに気をつけて
- 路上ホームレスの対応
- テラス席を狙ったレストランでのスリに注意
- 犯罪に巻き込まれてしまったら
- 警察に通報!
- 大使館、総領事館に連絡
- まとめ
ドイツの治安について
ドイツ国内での治安悪い都市ランキング
ドイツのBundeskriminalamt(連邦刑事局)の2017年度の調査によると、ドイツで治安の悪い都市のワースト3は以下のとおりです。
1位 | フランクフルト |
2位 | ハノーファー |
3位 | ベルリン |
在住者が語る近年のドイツ治安事情
私はドイツ在住7年目になりますが、他のヨーロッパ諸国と比べてドイツは治安がいいと思います。ですが、治安の悪いドイツの都市へ訪れると街の雰囲気も変わり、怖い人が駅の回りに集まっていたり、道端に注射器が落ちていたり、薬物使用者に遭遇したこともありました。日本にいる頃は信じられない光景が、ドイツでは日常だったりもします。ヨーロッパの中では比較的安全と言われているドイツですが、「日本よりもはるかに身の回りに危険な場合がある」ということを自覚して過ごしましょう。
まずは滞在先の安全確認をしてから出発しよう
外務省ホームページをチェック
ドイツへの渡航前に、滞在する都市の安全確認のため、外務省の海外安全ホームページを確認しましょう。各都市の危険情報や旅行する時期に適した情報を確認できるのです。外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録しておくことで渡航前、旅行中も旅先の安全情報をチェックできるでしょう。登録はインターネットから簡単に行えます。
海外旅行保険に加入
日本を出国する前に、海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。旅の準備をすると、ついつい忘れがちな保険の加入ですが、旅先で遭遇する「かもしれない」トラブルの時にとても助かるのです。海外旅行中の急病やケガの費用を負担するだけではなく、保険の種類によっては、スリによる盗難の補償や賠償のトラブルを補償してくれる場合もあります。1週間程度の旅行であれば数千円でかけられる保険も多数ありますよ。不測の事態に備えて、ぜひ検討してみてください。
家族に滞在先を連絡
携帯電話があれば、世界中どこにいても連絡を取り合うことができる今、皆さんは家族に旅先の滞在先を連絡していますか。旅行中に携帯電話を落としたり、パスポートを紛失したりするかもしれません。日本にいる家族に旅の日程表とパスポートのコピー、滞在先のホテルの住所などを事前に渡しておくことで、万が一の時に安否確認に役に立ちます。滞在中も日本にいるご家族に旅行の様子を電話やラインで伝えるのも良いでしょう。
オクトーバーフェストの治安、注意点
世界一のビール祭りの治安、犯罪
世界最大のビールの祭典、ドイツ南部の都市ミュンヘンで開催されるオクトーバーフェストでは、たくさんの人が世界中から集まります。もちろん、純粋にビールを楽しむだけの人ばかりではありません。酔っ払いを狙ったスリ集団も観光客と一緒にやってくるわけです。外務省の安全ホームページによると、2018年度のオクトーバーフェスト期間中の会場内でのスリは174件、傷害は256件にもなります。会場では常に警察官も巡回をして、入場時には荷物検査もありますが、周囲の状況に常に注意し、怪しい人が近づいてきたら、速やかにその場から離れるようにしましょう。
酔っ払いのケンカ、からみを避けるために
オクトーバーフェストの会場、特にビール会社が設置するテント内は大変盛り上がります。国も世代も関係なく盛り上がり、とても楽しい光景です。ですが一方でマナーの悪い人も中にはいます。場合によっては、酔っ払いが挑発してくるかもしれませんが、決して相手にしないようにしましょう。下手に反論して喧嘩になってしまうかもしれません。会場ではたくさんの警察官がスリや傷害を防ぐために警備に当たっています。たいていの場合、大きなトラブルになる前に仲裁が入るとは思いますが、なるべく会場では気性の粗そうな人の席の近くは避け、楽しくお酒を楽しみましょう。
宿泊先でのトラブルに注意
オクトーバーフェストの会場周辺の宿泊先は、このシーズンになると宿泊料が普段の数倍にも跳ね上がります。世界中からビールを求めて人々が集まり、酔っぱらったまま宿へ帰るわけです。祭りの会場を離れても酔っ払いに扮し、若い外国人女性グループ(スリ集団)が話しかけてきて、気が緩んだうちにお財布をぬき取られるケースもあります。ホテルに帰ってきたらドアをしっかり施錠し、休むようにしてください。知らない人が突然部屋を間違えて入ってくる、ということも考えられますよ。
ドイツのクリスマスマーケットの治安、注意点
店員によるぼったくり
クリスマスマーケットでは、たくさんの木組みの家が立ち並び、メルヘンチックです。観光客の多い場所では、お店の前は、たくさんの人でごった返します。店員の中には、観光客に目を付けて、お釣りをそのまま返さない悪い店員もいることは事実です。できれば小銭を用意して、お釣りのないように買い物するのが良いでしょう。もちろん、人ごみ、薄暗い場所のクリスマスマーケットはスリにも十分に注意することです。
周辺の暗闇に注意
クリスマスマーケット周辺では、幻想的な灯りでとてもロマンチックな気分が味わえますが、会場から離れると街灯が少なく、急に道がさみしくなります。ドイツの冬は日没が早く17時過ぎには真っ暗になる時期です。暗く細い道に入らず、クリスマスマーケットから帰る人の流れに沿って、寄り道することなく、最寄りの駅や滞在先のホテルに戻ると良いでしょう。
怪しげな自称案内人は相手にしない
観光地に行くとカタコトの日本語を話して、「私が観光スポットを案内します」とう人に出会うことがあります。本当に親切心のある良い方かもしれませんが、もしかすると観光案内代を後で請求してくる悪い人かもしれません。現地の人が付き添ってくれると観光するのも心強いでしょうが、丁寧にお断りしてください。後々でトラブルになり警察沙汰になってしまう可能性もあるので危険は未然に防ぐようにしましょう。
旅行者ができるテロ対策
ドイツでテロに特に注意したい時期
一般人をターゲットにしたテロは、イスラム教のラマダン月やその前後に発生しやすいようです。テロの標的になりやすい人の集まる場所にはなるべく近づかないようにしましょう。毎週金曜日はイスラム教徒の集団礼拝日であり、テロが実行される可能性もありますので十分注意してください。
人ごみの多い場所でどうすればいいか
人の多い観光スポットで、どのように身を守れば良いのでしょうか。人の集まる場所では、「ここで事件が起こったら自分はどうやって逃げるか」シチュエーションを考えて過ごすことです。大きな柱の近くだったら銃乱射があれば隠れられる。人ごみから少し外れて観光スポットを見ていれば、旅行客を狙った自爆テロから少しでも距離が離れるかもしれない。楽しい旅行中にこんなことを考えるのは気分が悪いですが、最悪の状況に巻き込まれた場合の想定を頭に入れておくことが必要です。
宿泊で注意したいこと
ホテルの料金で選ばない
ドイツ宿泊の際に注意したいのが「安さでホテルを選ばないこと」です。安い宿ではアパートメントタイプといって、個人と部屋の前で待ち合わせして、宿泊代を支払うものもあります。旅行者の場合は言葉が通じなかったり、宿のオーナーが約束通り来なかったりして、その日の宿泊できるホテルがないといった状況になりかねません。ですので料金の中に「安全代」が含まれていると考えて少し高めでも観光客、日本人観光客のレビューがあるホテルに宿泊するのが良いでしょう。
駅前を避けた立地のホテルを選ぶ
駅前は賑やかで夜も明るく、宿泊するのには便利で安全かと思われがちですが、都市によっては駅周辺が一番治安が悪い都市も少なくありません。夜の外出は控えることが大前提ですが、宿泊先は駅周辺を避けた大通りに面したホテルへの宿泊が良いでしょう。宿泊の口コミサイトも利用して、夜中の騒音や、ホテル周辺の情報を得ることも重要です。
客室の清掃時の窃盗にご用心
宿泊先で連泊する際は、ハウスキーピング(客室内の清掃)をお願いすることもあるでしょう。客室内にはセキュリティボックスがついているホテルがほとんどかもしれませんが、貴重品は自分で管理することが重要です。ドイツの経済状況もよくないので、ハウスキーピングには時給の安い人材をホテル側が雇用する場合もあります。対応の悪いホテルの場合だと最悪の場合、泣き寝入りしなければならないことも。外出時も貴重品は自分で身に着けて過ごすのが良いでしょう。
電車で注意したいこと
混んでいる車両では荷物に注意
ドイツの電車がひどく混むことはあまりありませんが、通勤や通学時やイベントがあると比較的電車内も込み合います。スリや、リュックが他人とぶつかってトラブルになることを防ぐためにカバンは手前でしっかり抱えることです。車両によっては日本人にとってつり革の位置が高いところにあり不便に感じることもあるでしょう。電車に乗ったら入り口付近ではなく、座席のある通路の方まで行くと座席上部にある手すりにつかまることができるので、便利で安全です。
車内での生活困窮者への対応
電車に乗車してしばらくすると、突然、親子がアコーディオンやギターで演奏してくる場合があります。また、時には座っている乗客一人ひとりの膝の上に自分の身の上話が書かれた紙が置かれたりする場面に出会うことも。彼らは生活困窮者が電車内で寄付を募っているのです。紙コップにお金を入れるように促され回ってきます。寄付する気のない場合は目を合わせず、膝上の紙も手に取らずにいましょう。彼らもあきらめて、あっさりと次のターゲットを目指して次の停車駅で電車を降りていくはずです。
無賃乗車(Schwarzfahren)にご用心
ドイツで公共交通機関に乗っていると、電車の中や駅のホームで頻繁に抜き打ちの検札が行われます。ドイツでは改札機がありません。発券機でチケットを買って、チケットの種類によっては自分でホームにある打刻機で打刻をして乗車するのです。無賃乗車の事をドイツ語でSchwarzfahrer(黒い乗車人)といいます。無賃乗車は60€の罰金になるので、旅行が悪い思い出にならないように、必ず電車に乗る前に運賃を支払い、チケットを購入してから乗車するようにしてください。
その他注意したいこと
事故多発!ドイツでは自転車レーンに気をつけて
ドイツは通勤時には、スーツ姿で自転車出勤する人がとても多いです。そのため、ドイツでは道路の両脇に自転車レーンが設けられている所も少なくありません。観光客が一番注意してほしいのが、バスの乗降時、自転車レーンに気づかずに侵入して衝突事故に遭遇してしまうことです。マナーの悪い人によっては、バスが乗降のため停止してもスピードを落とすことなく横を通過するため、ヒヤリとしたシーンを何度も目撃します。季節の良い時期は特に、道路の横断、バスの乗降の際の自転車にお気を付けください。
路上ホームレスの対応
路上でのホームレスはドイツでもよく見かけますが、ここ数年でホームレスの数も増えてきた印象があります。ホームレスによってはマナーが悪く、とてもしつこい人も。信号待ちの時間に近づいてきてドイツ語でまくしたてたり、財布を開けろとジェスチャーしてくる人もいるのです。そんな時は話を聞くことなく無視するのが一番です。ですが、知らない外国人が自分に向かってひたすら話してくる状況、時には罵声を浴びることもあります。怖く感じるときはその場を離れ、避難することも必要です。
テラス席を狙ったレストランでのスリに注意
海外旅行でよく聞く、カバンを椅子の上に置いておいて目を離したすきの置き引き、スリですが、ドイツでも人の多い都市や観光スポットでは日本人は狙われやすいです。日本での生活習慣の慣れでついついカバンを横の席に置きがちですが、海外では絶対に注意してください。天気の良い日など、屋外のテラス席、ビアガーデンでスリ集団が館顧客の隙を狙っています。隣の椅子や背もたれにカバンを置かず、膝の上にカバンを置いて警戒すると良いでしょう。
犯罪に巻き込まれてしまったら
警察に通報!
まず、スリや傷害などのトラブルに巻き込まれてしまったら、現地の警察に連絡しましょう。電話番号は日本と同じく、「110」です。店などでトラブルになっている場合は店員の方や、周りにいる方に助けを求めること。英語が通じない場合は「Ruf die Polizei !(ルーフ ディ ポリツァイ)」と言ってください。まずは現場に来てもらうことが肝心です。
大使館、総領事館に連絡
警察へ連絡が取れたら、近くの領事館にトラブルに巻き込まれたことを伝えましょう。大使館や総領事館では海外でトラブルに巻き込まれた日本人に対して保護や援護をしてくれます。滞在先から一番近い日本大使館もしくは総領事館に連絡して、職員の方の指示に従い、適切な対応を取ってください。
まとめ
さて、ここまでドイツの治安をはじめ、宿泊や電車での注意点などを皆さんにお知らせしてきました。旅先、それぞれの都市の観光情報はもちろんですが、それと一緒に、ドイツの犯罪、スリ、テロ情報も頭の片隅にいれて、安全に楽しく良い旅をお過ごしください。