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イギリスの治安ってどう?海外旅行で注意したい治安情報を解説!

イギリスの治安ってどう?海外旅行で注意したい治安情報を解説!

イギリスの治安は良い?悪い?旅行前に、日本の常識とは異なる注意点を知っておくことで、最高の旅の思い出を残すことができます。テロや夜に人通りの少ない場所など、注意点さえ理解しておけば、治安に過度に身構える必要はありません。イギリスは快適な海外旅行先です。

目次 [表示]

イギリスはルールを守れば快適に旅行できる国

トラファルガー広場のライオンとビッグベン

出典:ライター撮影

日本人にとってはおなじみの海外旅行先、イギリス。初めての方にとっては、やはり治安が気になりますが、一言でいうと海外でも有数の快適に旅行できる国の一つです。最低限のルールさえ頭に入れておけば、とても楽しい旅の思い出を残すことができます。そんなルールのポイントをまとめてみました。

「紳士の国」イギリスの魅力

パブ、ミュージカルから、バッキンガム宮殿、大英博物館にポールスミス。皆さんはイギリスにどんなイメージを持たれるでしょうか?世界でも冠たる歴史と文化を誇り、「紳士の国」と呼ばれるにふさわしい、さまざまな素晴らしい空間を体験できます。

イギリスは世界有数の「外国人旅行者にフレンドリー」な国

バッキンガム宮殿の衛兵交代のスケジュール案内に日本語表示

出典:ライター撮影

外国語の案内はロンドンのいたるところにあり、日本語表記も珍しくありません。ロンドンの玄関口・ヒースロー空港の国際線利用者は世界第2位(2018年、国際空港評議会調べ)、約7,500万人にのぼります。日本人なら抱きがちな、外国人へのアレルギーはほとんどありません。

日本人居住者が多く、日本食レストランも充実

MUJIなど日本ブランドのお店、和食やラーメン店がいたるところにあります。ロンドンは日本人居住者が約34,000人と世界で6番目に多い都市で、欧州では最多です(2017年、外務省調べ)。加えて多数の旅行者が常時滞在しており、日本が恋しくなるようなことはありません。

イギリスの治安は総じて良い?悪い?

答えはずばり「良い」です。
・イギリスは先進国、怪しげなエリアやお店は少なめ、危険を感じる確率は低い
・一時よりテロの危険性が低くなっている
・警察官と警備員や防犯カメラを、不快にならない程度に目にする
過度に不安を感じる必要は全くありません。楽しいイギリスの旅を満喫しましょう。

まずは海外共通のNG行動を押さえる

ロンドン ヒースロー空港

出典:ライター撮影

日本人が海外旅行で陥りがちなのは、日本の常識で、つい行動してしまうことです。「財布を落として、そのまま戻ってくる国は、世界でも日本だけ」と頭に入れましょう。基本的なNG行動さえ守っていれば、イギリスのみならず、海外で危険な目に合う確率は大幅に下がります。

日本人にしか通用しない常識はたくさんある

日本人がまず認識しなければならないのは、「日本は世界有数の格差が小さく、低所得者の割合が少ない国の一つだ」ということです。犯罪は低所得者が多いほど起こりやすくなります。イギリスを始め欧米の先進国は、日本よりはるかに格差が大きいと認識しましょう。

NGその1:所有物から目を離さない

スタバでトイレに行きたくなったら、カバンやスマホを置いたままで行ってしまう。絶対にNGです。最も被害が多い置き引きの絶好の機会になります。同行者がいる場合はともかく、1人で行動しているときは特に注意しなければなりません。

NGその2:現金を見せない

多額の現金を両替する、財布から多額の現金を出す、これらも絶対NGです。スリや置き引きは、常に観察しながらターゲットを探しています。多額の現金を持ち歩くこと自体、世界では異質なことと認識しましょう。そもそもイギリスは現金の必要性は高くありません。クレジットカードがほとんどの店で使えるからです。

NGその3:夜間にひとり歩きをしない、特に女性

女性は特に気を付けてください。昼間と異なり、夜は目印となる建物や案内標識が目に付きにくくなります。夜間でも人通りが多ければ問題ありませんが、土地勘がない旅先では、つい道を間違えて、人通りの少ないところに迷い込みがちです。

NGその4:昼間でもガイドブックに載っていないところには行かない

ガイドブックに載っているエリアは、基本的に治安は良いと考えて大丈夫です。多くの旅行者が訪れて人目につきやすいため、凶悪犯罪は起こりにくくなります。ガイドブックに載っていないエリアに行きたくなったら、なるべく現地に精通した友人やガイドに引率してもらいましょう。

安全の基本その1:三種の神器、保険+クレカ+Wi-Fi

海外旅行保険、クレジットカード、WiFi

出典:ライター撮影

海外旅行で危険に備えるための、必須アイテムをご紹介します。いずれも国内旅行であれば、なくても良いものばかりです。現地に到着してから準備忘れに気付いても、ほぼリカバリーできません。出発前にきちんと準備しましょう。

海外では水と安全はタダで確保できません

「水と安全はタダ」。昭和の時代から、世界と比べ異質な日本人の感覚として、よく語られているフレーズです。令和になった現在でも、あてはまると認識してください。近年は日本でも、トイレの手洗いを中心に「飲めない水」を見かけますよね?

海外旅行保険が欠かせない理由

海外旅行中に医者にかかる確率は非常に低いですが、いざとなれば健康保険が適用されないため、数千万円単位の治療費を請求されることもあります。決して誇張ではありません。強盗に襲われてケガをした、携行品が盗難にあった、海外旅行で起こりうるリスク防止のために、加入は絶対必要です。

クレジットカードが欠かせない理由

現金を持ち歩く必要がないこと、以外にも多くのメリットがあります。
・面倒な両替そのものが不要
・現金ゼロでも何とか旅行できる
 ロンドンは鉄道切符や駅の売店もクレカが使えます
・利用手数料は、クレカの方が現金両替より高くなることは少ない
 ただし日本円建てのクレカ決済は現地通貨建てよりレートが悪いのでNG

レンタルWi-Fiが欠かせない理由

マクドナルドやホテルなど、無料Wi-Fiを使えるスポットは都市部には多くありますが、いざという時にすぐにたどり着けません。スマホによる情報検索は、土地勘のないところでは特に有り難みを感じるため、レンタルWi-Fiは必需品です。日本の携帯電話サービスをそのまま海外で使うことはできますが、レンタルWi-Fiの方がかなり安くなります。

安全の基本その2:スリや置き引きにあわないために

手荷物から目を離さない

出典:ライター撮影

普段の日本の常識に基づいた何気ない行動が、海外ではスリや置き引きを誘発します。具体例としてピックアップしますので、しっかりとイメージしてください。繰り返しますが、持ち物の被害は、最も発生確率の高い「いやな旅の思い出」です。

カバンの持ち方

蓋やチャックを閉める、外部ポケットにスマホなど貴重品を入れない。スリと置き引きを避ける基本です。開口部の大きいトートバッグは特に注意しましょう。リュックサックは、地下鉄車内など人込みの中では前掛けを。後掛けだと、カッターで切られて貴重品を抜かれてしまいます。

カバンやスマホの置き場所

1人の場合でも、同行者がいる場合でも「目に届く範囲」が基本です。1人の場合に、トイレに行きたくなって置いたまま席を離れるのは論外、と頭に入れてください。テーブルの下など、目の届かないところにカバンを置いていると、気付いた時にはなくなっていた。こちらもよく後悔しがちな典型例です。

カフェやレストランでの注意ポイント

旅行ではとても利用頻度が高いスポットです。息抜きするために入ることもあり、心地良いと感じると、どうしても警戒心が下がります。誰でも出入りできるため、置き引きに遭うリスクは、とても高いのです。日本とは異なり、「息は抜いても、注意は欠かさない」と認識しましょう。

最も気になる治安、テロやEU離脱は大丈夫?

海外の治安では、テロはやはり最も気になります。スリや置き引きなどの軽犯罪はともかく、政治情勢に基づくテロによる命の危険は、日本国内では身近ではありません。だからこそ知っておいてほしいポイントをご説明します。

イギリスにおけるテロは大都市ほど危険?

欧米におけるテロの発生確率は低くなっているという認識が、2019年時点では一般的です。イスラム国(IS)による、大都市や観光地をターゲットとしたテロが世界中で頻発していましたが、イスラム国の勢力は、根本的に掃討されているとみられています。

もしもテロに遭遇した場合にどうするか?

直接的にテロに巻き込まれる可能性は極めて低いですが、発生した場合に冷静に身を護る行動が必要です。野次馬根性でテロ現場に近づくのは論外。とにかくテロ現場から離れ、宿泊先のホテルに戻るか、主要駅など警備が厳重なスポットに避難しましょう。

旅行者が注意すべき「EU離脱」

ニュースでよく耳にする「EU離脱=Brexit(ブレグジット)」についても留意しましょう。イギリス国内ではEU離脱に関する議論が大混乱していますが、デモによる旅行への影響や危険はほとんどありません。しかし英語ができる人は注意してください。お酒の入ったパブでたまたま隣り合わせた人に、興味本位でBrexitへの意見を求めるのは厳禁です。聞き方により相手をエスカレートさせてしまいます。

イギリスの治安はいつ・どこが危険?

夜のミュージカル劇場

出典:ライター撮影

イギリス旅行において、危険を意識すべき夜間や、具体的なエリアについてご説明します。治安の悪いエリアは、良い/悪いを区別する目安で判断しましょう。100%安全だと言い切れるエリアやスポットは、日本でも海外でもありえないからです。

夜間の注意点

夜にホテルに帰る際は、タクシーを使いましょう。徒歩だとお酒が入っていることも多く、夜は道に迷いがちになります。人通りの少ない地方都市では、なおさら危険です。ミュージカルにパブ、魅力あふれるイギリスの夜の思い出を大切に。

治安の良いエリア・悪いエリアの特徴

良い/悪いの目安は、日本の感覚と同じと考えてください。街並みが不潔、人種に関わらず身だしなみの良くない人が多い、昼間から路上で飲酒している、大声で口論している、といった光景です。ガイドブックに載っているエリアでも、裏道に入るとこうした異様な雰囲気を感じることがあります。すぐに引き返しましょう。

具体的な治安の悪いエリア

ヒースロー空港着陸前に目に入る、オリンピックの開会式が行われたロンドン・スタジアム

出典:ライター撮影

ロンドンではおおむね東側と南側が、低所得者層が多く居住する、相対的に治安が良いとは言えないエリアです。ロンドン五輪のメイン会場となった東部エリアはその一つ、元イングランド代表のサッカー選手・ベッカムの出身地としても知られています。治安の悪いエリアは世界の大都市には必ずあり、ロンドンも例外ではありません。

イギリスの地下鉄やタクシーは大丈夫?

ロンドン地下鉄の駅

出典:ライター撮影

タクシーが快適に利用できる都市は安全。世界共通の概念として、日本では名古屋が筆頭に挙げられますが、ロンドンにもあてはまります。タクシーはもちろん、地下鉄・バス・高速鉄道の利用に不安はありません。積極的に利用しましょう。

治安と快適さを日本と比較:大都市公共交通機関

公共交通機関の治安は、夜間のように利用者が少なくなる時間帯以外は全く問題ありません。特にロンドンは世界有数の大都市、地下鉄はいつも人込みであふれています。快適さでは、日本と比較して、地下鉄を中心にエスカレーターやトイレが少なめです。また地下鉄は、運休が多いことにも注意しなければなりません。

利用の注意点:地下鉄・バス・高速鉄道

日本と異なる注意点は、誰もいない車両には乗らない、居眠りしない、の2点です。治安の悪いエリアでなくても、スリや置き引きに遭いがちになります。イギリスでは地下鉄はUndergroundもしくはTubeと呼ばれ、日本で一般的な「Subway」は地下道を意味しますので間違えないように。地下道は人目につきにくく危険なところもあります。夜間にはSubwayを利用しない方が賢明です。

利用の注意点:タクシー

ロンドンのタクシーとバス

出典:ライター撮影

ロンドン名物になっている車高の高いタクシーは、車内は広く清潔です。運転手はロンドンの道にはとても詳しく、遠回りされるようなこともありません。イギリス旅行の良い思い出にもなりますので、夜にホテルに戻る際を中心に、利用をおすすめしたいほどです。一昔前は黒色だけでしたが、近年はさまざまな色があります。

イギリスのホテルやパブは大丈夫?

ロンドンのレストランのテラス席

出典:ライター撮影

イギリスのホテルやレストランは、以下のポイントに注意すれば、おおむね危険な目を回避できます。
・怪しいエリアにある
・極端に安い
・声を掛けられて連れていかれる
レストランでは、大都市の人通りの多い路面店では治安が悪いと感じることはありません。スタバやマクドナルドなど、世界共通のカフェやファストフード店も、治安は大丈夫です。

治安と快適さを日本と比較:ホテルや飲食店

イギリスに限らず世界共通で、ホテルやレストランの快適さは料金に比例します。安くても悪い印象を受けることなく利用できるのは、日本だけです。ホテルの印象は、旅の思い出に大きく影響します。自分でホテルを手配するならば、都市の規模や立地にもよりますが、1泊1万円以下だと良い印象を持てない確率が高い、と考えてください。

利用の注意点:ホテル

ホテルのテーブルに置いていたPCが、部屋に戻るとなくなっていた。海外ではよくある置き引きです。清掃時に部屋のドアが開けっぱなしになるスキが狙われます。PCなど外出中に必要がない貴重品は、部屋の貴重品ボックスに入れる or フロントに預ける、が必須です。パスポートは、警備が厳重なスポットで写真付き身分証明書の提示を求められた際に必要になります。近年は常に携帯する方が良いでしょう。

利用の注意点:カフェやレストラン

パブなど気軽にお酒が楽しめる店では、女性は「お酒をおごる」と声を掛けられても、絶対に応じてはいけません。男性でも、ゲイから声を掛けられることがあります。ロンドンのような大都市では、夜の街の雰囲気にのみこまれてしまいがちです。お酒はほどほどに。

利用の注意点:観光スポット

大英博物館

出典:ライター撮影

著名な観光スポットで、親切心を装って日本語で話しかけてくる人物がいます。無視するのが基本です。賊が二人一組の場合は、話しかけているスキに、ふと置いたカバンを置き引きされます。日本人は「ガードが甘い」というのは世界的に有名です。

イギリスの治安のまとめ

ウェストミンスター寺院

出典:ライター撮影

パブ、ミュージカル、美術館。イギリスならではの魅力が、旅行者を待ち受けています。一方、世界最古の先進国であるがゆえに、格差も世界有数。低所得者による軽犯罪の発生率は、日本よりはるかに高くなっています。「自分の身は自分で守る」という世界共通の意識がイギリスでも必須です。不安な方は外務省で、治安の最新情報が確認できます。旅行前に安全の基本をおさえ、素晴らしいイギリス旅行をお楽しみください。

外務省 海外安全ホームページ
海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。
高千穂一也
ライター

高千穂一也

旅は楽しいです。何度でも行きたくなります。行くたびに街や大自然のそこにしかない表情に感動します。さあ、旅に出ましょう。

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