イタリアの都市別治安情報を解説！注意が必要な観光地をご紹介！

まずはイタリアの基本的な情報に関して簡単に解説します。ヨーロッパ全体から見た位置や、気候や食べ物といった国の特色、日本からのアクセスなどの基本情報を頭に入れて、どのような国であるかをイメージしてみましょう。

ヨーロッパ全体から見て南側に位置するイタリアは、日本と同様に四季のある温暖な気候が特徴です。2019年現在、世界遺産の数が中国と並んで世界一であり、イタリアの歴史を肌で感じられる観光地がたくさんあります。ワインやオリーブの生産が盛んなことや、本格的なピザやパスタがどこでも味わえるなどグルメも充実しており、世界中で注目される観光地です。

日本とイタリアの間には直行便の飛行機があります。成田空港発でミラノかローマ行きの2つのルートがあり、どちらも所要時間は約12時間30分です。国際線を乗り継ぐルートについても複数あり、ヨーロッパかアジアの空港を経由して、イタリア各都市の空港へアクセスします。乗り継ぎ便の場合だと所要時間は約16～24時間です。

まずはイタリアの基本的な治安情報について解説します。国として治安は良いのか、どのような犯罪の危険があるか、観光地でも警戒が不可欠なのか、などのイタリアを観光するうえで重要な治安情報について把握しておきましょう。

イタリアの都市での治安は日本の治安と比べると、かなり悪いと言わざるをえません。それぞれの都市で多少の治安差がありますが、国の治安の良さを示す世界平和度の指数値でも、2019年現在、日本は9位であるのに対して、イタリアは39位とかなり差があります。

最も注意すべき犯罪はスリによる窃盗です。スリは人数が非常に多く、中には複数人で手を組んで窃盗を行うグループもいます。観光地など人混みができるスポットを狙って潜んでいるため、観光中は特に警戒するべきです。ほかにも日本人の断りにくい性格を利用しての押し売りやぼったくりといった詐欺などの犯罪の危険もあるため、怪しいと感じた人には近づかないようにしましょう。

ミラノはイタリア北西部にある都市で、国内ではローマの次に人口の多い都市です。イタリア北部は一般的には治安が良いと言われていますが、都市別で見ると治安事情が良くない場所もあります。国内では最も大きな都市の1つであるミラノの治安事情について確認していきましょう。

ミラノは国内で犯罪数が最多の都市で、治安事情は非常に悪いと言えます。観光地として有名な場所がたくさんあり、商工業などのビジネスも非常に盛んなことから、より多くの観光客とビジネスパーソンが訪れる都市です。そのため、それらの人をターゲットとしたスリによる窃盗のほかに、強盗や詐欺行為などさまざまな犯罪が発生しています。

観光地として人気のある大聖堂周辺はショッピングモールが隣接しており、観光客以外にも多くの買い物客が訪れるため、人混みにまぎれたスリや押し売り業者が数多く潜んでいます。怪しい人物には常に警戒するようにしましょう。また、ひったくりの被害にも遭いやすい地域のため、観光地への道中でも手荷物には十分注意しましょう。

イタリア北東部の都市であるヴェネツィアは、アドリア海に面した景観の良い観光地です。メインとなる観光地は橋を渡った先の島にあり、ほかの都市の観光地と比べて立地が少し特殊になっています。そういった独特な特徴を持つヴェネツィアですが、治安についてはどうなっているのでしょうか。

ヴェネツィアの治安は国内で比べると良いほうです。ヴェネツィアは観光に特化した都市であり、一番の見どころであるヴェネツィア本島へは観光以外で訪れる人はそこまで多くはなく、犯罪件数もほかの都市と比べて少なくなっています。そうは言っても観光地としてとても人気のあるこの地を訪れる人は多く、それを狙ったスリが数多く潜んでいるため油断は禁物です。

ヴェネツィアの危険な観光地としてまず注意すべきなのはサン・マルコ広場です。寺院や美術館といった観光名所と隣接した広場であり、ヴェネツィア本島で最も人混みができやすい場所のため、スリの被害に遭う可能性が高くなります。また、ヴェネツィアは細い路地がたくさんあり、至るところに人混みができるため、スリには常に警戒しましょう。

フィレンツェはイタリア北西部にある都市で、芸術的な作品が数多く見られる人気の観光地であり、隣にある都市もピサの斜塔があることで有名な観光地です。観光名所が数多く建ち並び、イタリア国内からもたくさんの観光客が訪れるこの地域での治安事情を解説します。

フィレンツェの治安事情はやや悪いと言えます。市街地の中心部に観光名所が集中しているため、スリや押し売り業者が数多く潜んでおり、窃盗や詐欺などの犯罪が数多く発生する都市です。一方で、国内の特に治安の悪い都市と比べると犯罪数は少なくなっており、治安事情も良い傾向にあります。

フィレンツェの観光地として有名な教会の周辺は、有名な美術館や人気ブランドショップが数多く建ち並んでいるため人混みができやすく、スリの被害に遭う危険がかなり高いスポットです。ほかにも押し売り業者や飲食店から過剰請求されるケースも報告されている観光地のため、詐欺などの犯罪に巻き込まれないよう警戒しましょう。

イタリア中部の都市であるローマは、人口が国内で最多の都市で、この国の首都でもあります。魅力的な観光地がたくさんある都市のため、治安情報に関しては特に気がかりです。国の中枢であるこの都市での治安事情は問題ないのでしょうか。

ローマの治安はかなり悪いと言えます。イタリアの中枢都市であるため、観光客以外にもたくさんの人が集まる都市であり、それを狙ったスリなどの犯罪グループが多数潜んでいます。観光地以外にも、人がより行き交う駅周辺などのスポットで、窃盗や暴行などの危険な犯罪が数多く発生しているため、常に警戒が必要な都市です。

ローマは観光スポットの数が多く、それぞれで人混みができやすいため、スリには特に注意が必要です。また、スペイン広場など観光客が写真撮影で足を止めやすい観光スポットでは、花やミサンガなどを押し売りしてくる業者が多数いるため、詐欺の被害に遭わないよう品物を進められてもきっぱり断るなど、しっかり対策をしましょう。

ナポリはティレニア海に面した港町で景観が良いことで有名な都市です。一般的にイタリアは、南側の地域での治安事情が悪い傾向にありますが、イタリア南部の都市であるナポリの治安事情はどうなっているのでしょうか？

ナポリの治安は国内ではかなり悪いと言えます。ほかの都市と同様にスリや押し売り業者による詐欺などの犯罪も多いですが、ひったくりや強盗などの危険な犯罪も多い都市です。そんな凶悪な治安も今では良化を辿り、以前ほど危険な都市ではなくなってきてはいますが、犯罪の危険に対して特に警戒すべき都市であることには変わりありません。

ナポリで特に注意が必要な観光地はスパッカ・ナポリです。世界遺産にも登録されている歴史的な通りですが、メインの通りを外れた細い道が多く、そこに入ると人目も少ないため、スリやひったくりの被害に遭いやすくなります。観光中はできるだけ細い道には近寄らず、また、治安がさらに悪くなる夜はこの通りに近づかないようにしましょう。

これまでに解説した治安情報を踏まえて、イタリア各都市の人気ランキングを発表します。イタリアの各都市にはそれぞれ魅力的な観光地がありますが、観光を楽しむには治安の良い悪いも重要です。そこで、ここではより安心して楽しく観光できる都市をランキングにしました。

ナポリは治安が特に悪いと噂される都市ではありますが、海辺に面した街の雰囲気と建物の色合いも相まって、世界的にみても景観が素晴らしい都市として有名です。青の洞窟が有名な観光地で、リゾート地として人気の高いカプリ島にもナポリの港から行けるため、治安が悪くてもそれ以上に観光する価値があります。

ミラノは治安があまり良いとは言えませんが、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作の1つである「最後の晩餐」や、ナポレオンが侵攻してきた歴史があるスフォルツェスコ城があり、イタリアで重要な文化財が集まっている都市です。大聖堂周辺のショッピングモールには有名ブランド店も数多く建ち並んでおり、買い物も楽しめます。

フィレンツェはオレンジ色の屋根で統一された街全体の見た目も特徴的で、イタリアで最も芸術的な雰囲気を楽しめる観光地の1つです。ルネッサンス時代の有名画家たちによる数々の作品が展示されたウフィッツィ美術館や、ミケランジェロの代表作であるダビデ像が展示されたアカデミア美術館もフィレンツェ市街地内にあり、治安にさえ注意すればイタリアの芸術に数多く触れられます。

ローマには世界的に知名度の高い観光スポットがたくさんある都市です。コロッセオや真実の口、トレヴィの泉もローマにある観光スポットです。カトリック教会の中枢であるバチカン市国もローマ市内にあり、芸術性の高い大聖堂で高貴な雰囲気を味わえます。観光スポット周辺では、有名ショップも数多く出店しているなど、治安を加味しても観光地として非常に良い都市です。

ヴェネツィアは水の都と呼ばれる都市で、幻想的な雰囲気があり治安もそこまで悪くないことから、観光地として非常に高い人気があります。景観もさることながら、オープンテラスのレストランや、お土産品をはじめとしたさまざまなジャンルのショップ、市街地の水路を回遊するゴンドラ体験のレクリエーションなど、観光地としての見どころがたくさんある都市です。

以上がイタリアの都市別治安情報についての解説です。イタリアの都市での治安事情は、日本とはかなり異なり、危険なことがわかります。イタリアへ行くのであれば、事前に外務省海外安全ホームページで治安情報を確認し、安全であるかをしっかり判断してからにしましょう。