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街道の女王「アッピア街道」の見どころは?古代ローマの暮らしを垣間見る街道を解説!

街道の女王「アッピア街道」の見どころは?古代ローマの暮らしを垣間見る街道を解説!

アッピア街道は、イタリアにある古代ローマ人が作った歴史ある街道です。「街道の女王」と呼ばれるアッピア街道は、現在も一部道路として利用され、史跡などもたくさん残っています。古代ローマの歴史や文化、情景を感じられ、散策にもピッタリなアッピア街道の見どころをご紹介します。

目次 [表示]

アッピア街道を観光してみよう

アッピア街道はローマと南イタリアを結ぶ、古代ローマ人が作った街道です。ローマの街道のなかで最も古く、紀元前に建設され、「街道の女王」と呼ばれています。

一部は現在も道路として利用されていますが、周辺には未だ史跡などが残り、古代ローマの歴史や文化を感じられるスポットです。散策にもピッタリなアッピア街道をご紹介します。

アッピア街道:見どころとは?

アッピア街道は古代ローマから続く長い歴史があります。街道沿いには古代ローマの遺跡や、初期キリスト教のカタコンベなどの見どころがあります。古代ローマ人の暮らしの様子などを想像しながら散策したい、アッピア街道の見どころをご紹介します。

見どころ①:カラカラ浴場

カラカラ浴場は古代ローマ人が作ったお風呂の遺跡です。古代ローマのお風呂はアリーナほどの広さで、日本の健康ランドや銭湯よりも、はるかにスケールが大きいので驚かされます。

見どころ②:サン・セバスティアーノ門

サン・セバスティアーノ門は、アッピア街道のはじまりにあります。3世紀に作られたものなので、アッピア街道よりもかなり新しいものです。門は博物館にもなっていて、アッピア街道にまつわる歴史について知れます。門の上からは美しい景色も見えるので、ぜひ登ってみてください。

見どころ③:第一マイルストーン

アッピア街道の1つ目のマイルストーンはサン・セバスティアーノ門の近くにあります。街道を1マイル進むごとに設置されているマイルストーンを数えながら散策を楽しむのもおすすめです。第一マイルストーンの辺りは車通りが多いため、観光の際は車に気をつけましょう。

見どころ④:サン・カッリストのカタコンベ

サン・カッリストはカタコンベは初期キリスト教の共同の地下墓地です。アッピア街道にはいくつかのカタコンベがありますが、サン・カッリストのカタコンベは中でもとくに有名なもので、教皇も何人か埋葬されているようです。内部を見学でき、日本語の案内テープも申請すれば利用可能できます。

カタコンベといえば、人骨などが飾られている刺激の強いものが思い浮かびますが、ここにはそういったものはないので子供連れにもおすすめです。

見どころ⑤:サン・セバスティアーノのカタコンベ

サン・セバスティアーノのカタコンベはローマの中で最も古く、最も大きいカタコンベです。全長は12キロにも及び、施設内の見学はツアーも組まれるほど人気です。元は古代ローマ遺跡だったものの上に教会やカタコンベが作られていて、不思議な雰囲気が漂っています。地下にある墓地ですが、施設内は明るく、怖い雰囲気ではありません。

見どころ⑥:ロムルスの廊

ロムルスの廊は皇帝マクセの息子ロムルスと、その一族の遺骨が納められているお墓です。

マクセが、14歳でこの世を去ってしまったロムルスのために建てた廊は、「息子への愛情」と「子を亡くした親の悲しみ」を表しているかのような存在です。ローマ人の人の手によって丁寧に積み上げられた建物の壁や、きれいに残された壁画は、じっくり見たいポイントです。

見どころ⑦:マクセンティウスの競技場

マクセンティウスの競技場はロムルスの廊の隣にある縦長の立派な競技場です。こちらもロムルスの廊と同じく、皇帝マクセンティウスが息子の葬送競技をするために建築されました。

建設の途中で皇帝が戦死してしまったため、建設は途中でストップしてしまっています。競技場を一望してみれば、ポツンと残された建設途中の建物が物悲しく、マクセンティウスの哀愁を感じるスポットです。

見どころ⑧:チェチーリア・メテッラの墓

チェチーリア・メテッラの墓は共和政ローマ末期の権力者の義理の娘「チェチーリア」という人物のお墓で、紀元前1年に作られた歴史ある建物です。お墓とは思えない、かわいらしい見た目は、なんだか中世のお城のような雰囲気もあります。

チェチーリア・メテッラの墓は窓の装飾や建物の形など、外観からじっくり楽しみたい観光スポットです。カラカラ浴場との共通チケットがあり、カラカラ浴場と一緒に見学するとお得になります。

見どころ⑨:カポ・ディ・ボヴェ荘

カポ・ディ・ボヴェ荘はアッピア街道にあるカフェのすぐそばにある私設浴場です。一般公開が始まったのは2006年と比較的新しく、まだ多くの人の目に触れていない点も魅力的です。

部屋の間取りや、浴場に水を引く施設など、当時の様子がわかるポイントがたくさんあり見どころ満載。カラフルな装飾・タイル・モザイク壁画も美しく、写真の撮影スポットとしてもおすすめです。

見どころ⑩:クインティーリ荘

クインティーリ荘は広大な敷地の真ん中に佇む邸宅で「クインティーリという人物が住んでいた」とされるスポット。この邸宅には、劇場や浴場などさまざまな施設があったようです。タイルなどの設備が、きれいに残されているので、当時の暮らしぶりを想像しながら見学するのをおすすめします。

アッピア街道の深い歴史

現在も公道として使われているアッピア街道ですが、アッピア街道の歴史はとても古く、紀元前にまで遡ります。深い歴史を持つアッピア街道だからこそ、その歴史を知ったうえで観光すると、さらに面白く感じられるでしょう。アッピア街道の持つ歴史、街道にまつわる逸話などをご紹介します。

歴史①:アッピア街道のはじまり

アッピア街道の歴史は、紀元前312年にはじまります。当時の政府権力者の要請により、ローマとアルバーノ丘陵を結ぶ街道の改修・拡大が行われたのです。

街道の敷石は丈夫な火山岩で、ヴェスヴィオ山から運ばれました。アッピア街道の名前は、街道の改修を指揮した「アッピウス・クラウディウス・カエクス」からつけられた名前です。

歴史②:アッピア街道の長さ375km

アッピア街道の現在の長さは375kmです。現在の街道は「街道の女王」と呼ばれるほどの長距離ですが、実は、はじめからこのような長さではありませんでした。改修された当初の街道の長さは、現在の長さよりももっと短い距離です。紀元前190年前を皮切りに、アッピア街道は時代の流れとともに何度も手が加えられ、現在の375kmもの長さになりました。

歴史③:スパルタクスの反乱と街道

紀元前71年「スパルタクスの反乱」という、ローマ軍と奴隷たちの戦争が起きます。指導者スパルタクスが率いる奴隷軍は最終的に全滅し、ローマ軍に敗北してしまうのですが、その見せしめに反乱者たちはアッピア街道沿いに吊るされました。

逮捕された反乱者たちが吊るされた十字架は街道沿いに並べられ、それはポンペイにまで続いていたようです。

歴史④:聖ペトロとキリストの幻影

アッピア街道には初期キリスト教のカタコンベがあり、キリスト教にまつわる逸話もあります。

ローマ布教の際に、皇帝の弾圧によって追われる身となってしまった聖ペトロが、街道の中途でイエス・キリストの幻に出会ったというものです。「主よ、どこへ行かれるのですか?」と尋ねたとされる場所には、現在教会が建てられています。

アッピア街道のおすすめの散策の仕方

アッピア街道のおすすめの見どころであるカラカラ浴場から、クィンティーリ荘までは約10キロ以上の距離があります。そのため、サクサク見て回りたい方には、レンタル自転車での観光がおすすめです。自転車に乗る場合はアッピア街道の石畳が凸凹していますので、お尻が痛くならないように対策をしておきましょう。

ゆっくり見て回りたい方には、徒歩での観光がおすすめです。路線バスも通りますが、本数が少ないので待つことがあるかもしれません。

アッピア街道散策の注意点

アッピア街道散策の注意点として、一部を現在でも公道として利用しているため、車通りが多い場所があります。道幅も狭いため、道端にある小さな遺跡やマイルストーンを観光する際は、走っている車にも注意しましょう。石畳の道では、デコボコで足元が悪いので、歩きやすい靴にするなどの対策も必要です。

アッピア街道は深い歴史を感じられる美しいスポット

アッピア街道は、深い歴史と貴重な遺跡を持ち、見どころが満載のスポットです。古代ローマの暮らしを垣間見るこの街道は、景観も美しく、徒歩や自転車での散策をするのも楽しい観光地です。ローマを訪れたら、「街道の女王」と呼ばれるアッピア街道をぜひ観光してください。

小池ちかり
ライター

小池ちかり

ふたりの子供をもつ専業主婦。 いつかアメリカ国立博物館で恐竜を見たい!

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