目次 [表示]
- マルタ騎士団とは?
- 有名なテンプル騎士団とならぶ3大騎士団のひとつ
- 現在は国際的な慈善活動をおこなう
- 現在は領土をもたないが国から独立した権利をもつ
- パスポートも独自に発行している
- 日本は独立を認めておらず外交関係もない
- マルタ騎士団はどうして作られた?
- 聖地エルサレムを巡礼する信徒を警備するため
- もとは巡礼者を救護する病院をかねた宿屋だった
- マルタ騎士団が聖ヨハネ騎士団と呼ばれたころの歴史
- 巡礼者の安全と聖地の治安を守る
- イスラム勢力にエルサレムを奪われ後退
- マルタ騎士団がロドス騎士団と呼ばれたころの歴史
- イスラム勢力とたたかう重要な砦
- 破竹の勢いのオスマン帝国に負けてまたも撤退
- マルタ騎士団と呼ばれるようになってからの歴史
- イスラム勢力とたたかう屈強な砦
- オスマン帝国から西ヨーロッパを守ることに貢献
- 領土を失うも独立組織として慈善活動に力をそそぐ
- マルタ騎士団は現在までつづく長い歴史をもつ!
マルタ騎士団がロドス騎士団と呼ばれたころの歴史
呼び名 | ロドス騎士団 |
---|---|
年代 | 1310~1522年 |
本拠地 | ロドス島(エーゲ海) |
役割 | イスラム勢力と戦う |
マルタ騎士団はイスラム勢力にアジア大陸から追い払われたのち、長らくロドス島を拠点としたので「ロドス騎士団」と呼ばれました。騎士団はキプロス島で海賊としてイスラム勢力を襲っていましたが、王族に動きを制限されたため東ローマ帝国領だったロドス島をうばって拠点を移します。
イスラム勢力とたたかう重要な砦
ロドス騎士団は、2大防衛力だったテンプル騎士団が解散したことで、西ヨーロッパにとってはイスラム勢力と戦う唯一の軍事力として重要な砦(とりで)になります。ロドス騎士団には各地からの寄進が増え、テンプル騎士団の資産の多くも流れ込み、騎士団は立て直して軍備を強めました。
島に造られた2重、3重の強固な城壁は現代まで残されており、世界遺産に登録されています。
破竹の勢いのオスマン帝国に負けてまたも撤退
ロドス騎士団はイスラム勢力の2度の攻撃を追い返しますが、3度目は圧倒的に数の多いオスマン帝国軍に敗れ、島を明け渡します。
戦いは「ロドス大包囲」の名で有名で、騎士団は帝国軍が上陸したのち6か月も要塞(ようさい)を守りました。帝国は騎士団をたたえて処刑をせず資産もうばわず追放のみにとどめ、騎士団はシチリア島へ移ります。
マルタ騎士団と呼ばれるようになってからの歴史
呼び名 | マルタ騎士団 |
---|---|
年代 | 1530年~現在 |
本拠地 | マルタ島(地中海) |
→ローマ | |
役割の変化 | イスラム勢力と戦う |
→一時的に失う | |
→慈善活動をおこなう |
ロドス騎士団は拠点を失いましたが、西地中海における防波堤としての力を見込んだ教皇・神聖ローマ皇帝と取引をしてマルタ島を借ります。
海運の要衝だったマルタ島には海賊が多く、騎士団は海賊も支配下に置いていたそうです。島は、イスラム商人やヴェネツィアのユダヤ人商人を奴隷として売り買いする中心地だったと伝わります。
イスラム勢力とたたかう屈強な砦
マルタ騎士団はイスラム勢力から西ヨーロッパ勢力を守る砦として、ロドス島以上に強固な城塞を築きます。マルタ騎士団は、島内に軍艦を造り修復する造船所もつくりあげ、ヨーロッパの商船を海賊から守る役目も請け負っていたと伝わります。
オスマン帝国から西ヨーロッパを守ることに貢献
マルタ騎士団は16世紀にふたたびオスマン帝国から攻撃を受けますが、帝国側の不調とスペインの援軍に助けられ勝利し、西ヨーロッパ世界を守った砦として名を挙げます。有名になったマルタ騎士団は多くの寄進を受けて黄金時代を迎え、城壁をより強くし、立派な病院や大聖堂もつくりました。
領土を失うも独立組織として慈善活動に力をそそぐ
マルタ騎士団は16世紀後半になると役割を失い、18世紀末にナポレオンの軍隊に領土を追われ、各地の支援者を頼りながら慈善活動に立ち返ります。騎士団は領土がないものの西欧諸国から主権を認められ、1834年には教皇からローマのビルを授かりました。
騎士団は世界に支部を作り、2度の世界大戦では各地で救護活動をおこない活躍します。
マルタ騎士団は現在までつづく長い歴史をもつ!
マルタ騎士団が「領土なき国家」になった理由は、長い歴史にあった!
マルタ騎士団は十字軍の時代からつづく長い歴史をもち、当初の役割は聖地エルサレムの巡礼者と征服地を守ることでした。
騎士団は西ヨーロッパ側の主力として、攻めてくるイスラム勢力と戦うようになり、各地から騎士と資金を集め、特権をもつ一大勢力になります。騎士団は信仰のあつい名門貴族の騎士たちからなり、領土を失っても慈善活動をつづけ、多くの国に主権を認められました。
出典:白地図ぬりぬり